ミステリ作家の三馬太郎は、父亡き後の実家に移住し消防団に勧誘される。
ハヤブサ地区での新しい生活の様子や人間関係がかなり長めに描かれているので
ちょっと退屈だったが、連続する火事を調べると
次々と謎の事態に巻き込まれていくあたりから物語が動きだし、
太陽光パネルの不審な営業マンや宗教団体の関係者などが目まぐるしく登場する。
誰か敵か味方か、色々なパターンが考えられるが、
ちょっと信じすぎじゃないかなあ、そこまでこの人に話してもいいのかな?
と思わせる主人公の人の好さはヤキモキする。
太陽光パネルだけでも十分に話は展開できそうだが、
そこにオウムを思い出させる宗教団体が絡んでくることで複雑化し、
前半と後半では雰囲気がガラッと作品の印象が変わってしまった気がする。
締めへの引き込み方はやはり上手で急速に面白くなったが、
一連の真相は想像の域を超えることは無くちょっと残念。
多分、色々と詰め込み過ぎたかな。
コンパクトな話にしていればシリーズ化もできそうな気がするが、
大きな事件が何度も起きる田舎は不穏過ぎて落ち着かないから難しいかも。