吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

空を見上げる古い歌を口ずさむ --小路幸也

「BOOK」データベースより引用「みんなの顔が“のっぺらぼう”に見えるっていうの。誰が誰なのかもわからなくなったって…」兄さんに、会わなきゃ。二十年前に、兄が言ったんだ。姿を消す前に。「いつかお前の周りで、誰かが“のっぺらぼう”を見るようになったら…

ひねくれアイテム --江坂遊

ひそかに応援している作家、江坂遊さんの2冊目です。数少ないショートショートの作家さんで星新一さんの唯一の弟子なんです。48篇収められているのですが、前作の「仕掛け花火」程のインパクトはありませんでした。と、言うよりも「仕掛け花火」のインパクト…

文壇アイドル論 --斎藤美奈子

80年代前後に頭角を現した作家たちを取り上げ、当時の評論家たちの言葉を引用しながら「作家論」論を展開している作品です。村上春樹、俵万智、吉本ばなな、林真理子、上野千鶴子、立花隆、村上龍、田中康夫が取り上げられています。 最近は評論家の書いた本…

逃亡くそたわけ --絲山秋子

講談社BOOK倶楽部より引用「どうしようどうしよう夏が終わってしまう」軽い気持ちの自殺未遂がばれ、入院させられた「あたし」は、退屈な精神病院からの脱走を決意。名古屋出身の「なごやん」を誘い出し、彼のぼろぼろの車での逃亡が始まった。道中、幻聴に…

イッツ・オンリー・トーク --絲山秋子

「BOOK」データベースより引用引っ越しの朝、男に振られた。やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候―遠い点と点とが形づくる星座のような関係。ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と…

さがしもの --角田光代

新潮社Webサイトより引用「その本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」、病床のおばあちゃんに頼まれた一冊を求め奔走した少女の日を描く「さがしもの」。初めて売った古本と思わぬ再会を果たす「旅する本」。持ち主不明の詩集に挟まれた別れの言葉「…

シャングリ・ラ(上・下) --池上永一

読む前は全く知識がなかったのですが、直前に読んだ「バガージマヌパナス」とは全く別の世界観で、ひたすらマンガ的、ゲーム的な作品でした。いい意味でも悪い意味でも。アニメ雑誌「ニュータイプ」で連載されていたんですね。ひと言で表現するとしたら「荒…

バガージマヌパナス --池上永一

「BOOK」データベースより引用「ワジワジーッ(不愉快だわ)」ガジュマルの樹の下で19歳の綾乃は呟く。神様のお告げで、ユタ(巫女)になれと命ぜられたのだ。困った彼女は86歳の大親友オージャーガンマーに相談するが…。あふれる方言、三線の音、沖縄の豊かな伝…