吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

人間以上 --シオドア・スタージョン

先日書いた ヒューマン・ファクター の感想の中で「人によって持っているパラメータは違う。読む人によって、当然でてくる解答(感想)は変わってくる。」と、書きました。実はこの「人間以上」こそ、この言葉が似合う作品なのではないかと思います。 学生の…

ヒューマン・ファクター --グレアム・グリーン

この作品はスパイ小説です。ですが、派手なスパイ小説が好きな人にはつまらないかもしれません。ちなみにグレアム・グリーンは映画「第三の男」の原作者でもあります。「BOOK」データベースより引用イギリス情報部の極秘事項がソ連に漏洩した。スキャンダル…

夜中に犬に起こった奇妙な事件 --マーク・ハッドン

今までこの手の本はあまり読んだことがないのですが、昨年書店でふとこの本と目があったので手に取りました。パラパラめくってみて、おっ読んでみるか、と思って購入してからはや数ヶ月。やっと読みました。「BOOK」データベースより引用数学や物理では天才…

や行の作家

【や】●柳田邦男空白の天気図マッハの恐怖、続・マッハの恐怖零式戦闘機想定外の罠 --大震災と原発終わらない原発事故と「日本病」●矢作俊彦ららら科學の子●山尾悠子ラピスラズリ●山岡淳一郎後藤新平 日本の羅針盤となった男●山川健一星とレゲエの島●山際淳…

犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 --コニー・ウィリス

長いけど「BOOK」データベースより引用します。オックスフォード大学史学部の学生ネッド・ヘンリーは、第二次大戦中のロンドン大空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂の再建計画の資料集めの毎日を送っていた。だが、計画の責任者レイディ・シュラプネルの命…

アクロイド殺人事件 --アガサ・クリスティ

本作を読んだのは、中学生のときでした。小学生のとき、先輩の中学生に「グリーン家殺人事件」「Yの悲劇」(もしかしたら「Xの悲劇」かな?)を勧められて読んだがさっぱりわからないし、外国人の名前が覚えられなくて正直つまらない印象しかなかった。だか…

冷血 --トルーマン・カポーティ

ゲイ・タリーズとトルーマン・カポーティを読むと手法の違いがはっきりしていて面白い。タリーズの 「汝の父を敬え」 がニュー・ジャナリズムの代表作ならば、カポーティの「冷血」はノンフィクション・ノベルの代表作でしょう。完成までにタリーズは7年、カ…

汝の父を敬え --ゲイ・タリーズ

数あるノンフィクションん中でもトップクラスで好きな作品です。読んでからずいぶんたちますが、色々と影響を受けたなあと思います。映画「ゴッドファーザー」のモデルとされるシチリア・マフィアであり、ニューヨークの五大ファミリーのひとつ、ボナンノ一…

今夜、すべてのバーで --中島らも

最近、中島らもの「頭の中がカユいんだ」が平積みされているのを良く見かける。また、影響を受ける人たちが増えるのだろうか・・・太宰治の「人間失格」が表紙を変えただけで(デスノートの漫画家さんが書いてるんだね)今また大ヒットしているとか、復刻し…

午後の恐竜 --星新一

表題を含む11作品が収められています。表紙はヒサクニヒコ氏。実はこの作品の感想文を書くのはこれで2度目になります。一回目は中学生のときの夏休みの宿題。星新一の1ページにも満たない作品をピックアップして、それよりも長い感想文を書いてやるんだ、と…

東京漂流 --藤原新也

写真雑誌の草分け的存在の「FOCUS」に連載されていたものがまとめられた本書は、読んだ当時とても衝撃的な内容だった。衝撃的過ぎて「FOCUS」の連載が中止になったのですが、実に多くのメッセージが含まれている。「FOCUS」に連載されていたので、写真と文章…