吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

アラビアの夜の種族(上中下) --古川日出男

文庫版になって間もなく購入したのですが、今まで手を出せずにいました。躊躇の連続でした。しかし、今年じっくり読む必読作品として浮かんでいた筆頭でもありました。やはり古川作品の3巻分の文章というのは考えるだけで覚悟がいります。そしてついに、じっ…

卒業 --重松清

「BOOK」データベースより引用「わたしの父親ってどんなひとだったんですか」ある日突然、十四年前に自ら命を絶った親友の娘が僕を訪ねてきた。中学生の彼女もまた、生と死を巡る深刻な悩みを抱えていた。僕は彼女を死から引き離そうと、亡き親友との青春時…

独白するユニバーサル横メルカトル --平山夢明

「BOOK」データベースより引用タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。彼が語る、主人とその息子のおぞましい所行を端正な文体で綴り、日本推理作家協会賞を受賞した表題作。学校でいじめられ、家庭では義父の暴力に晒される少女が、絶望の…

子供たちは森に消えた --ロバート・カレン

「BOOK」データベースより引用1982年、体制の崩壊を目前にしたソヴィエト連邦ロシア南部の森で、ナイフの傷跡も無残な少女の死体が発見された。それを皮切りに次次と森で子供たちが惨殺される事件が発生し、担当の捜査官ブラコフは、精神科医の協力を得つつ…

袋小路の男 --絲山秋子

「BOOK」データベースより引用高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文…

まほろ駅前多田便利軒 --三浦しをん

「BOOK」データベースより引用まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると…

チャイルド44(上・下) --トム・ロブ・スミス

今年はじっくり本を読みたい、と言っていましたがさっそく一気読みしちゃいました。手綱を引いても止まらない感じでした。これがデビュー作で20代後半の人が書き上げたとは! 「BOOK」データベースより引用スターリン体制下のソ連。国家保安省の敏腕捜査官レ…

夜は短し歩けよ乙女 --森見登美彦

今年の読書始めの作品でしたが、大正解でした。「夜は短し歩けよ乙女」「深海魚たち」 「御都合主義者かく語りき」「魔風邪恋風邪」の4章構成。次を読みたい気持ちをおさえながら元日から4日まで、1章ずつゆっくり読みました。おかげで神社で達磨を見かける…

粗にして野だが卑ではない―石田禮助の生涯 --城山三郎

「BOOK」データベースより引用三井物産に35年間在職し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった“ヤング・ソルジャー”―。明治人の一徹さと30年に及ぶ海外生活で培われた合理主義から“卑ではない”ほんものの人間の堂々たる人生を著者…