吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

アンドロイドは電気羊の夢を見るか --フィリップ・K・ディック

本作は遠い昔(多分、十代だと)読んだきりで、再読用に数年前から積んでおいたものです。これを原作に制作された映画「ブレードランナー」は好きな作品でしたが、原作とのつながりは感じられない別物でした。 昔読んだ時の印象は、「地球に紛れ込んだ、人間…

果つる底なき --池井戸潤

「BOOK」データベースより引用「これは貸しだからな」。謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった…。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊…

肝、焼ける --朝倉かすみ

「BOOK」データベースより引用歳下で遠距離恋愛中の彼氏に会うために、こっそり訪れた稚内。地元の人たちの不思議なパワーのおかげで、もやもやした気持ちが変化していく。「肝、焼ける」―激しいじれったさを表す方言が、真穂子を新たなステップに駆り立てた…

黒冷水 --羽田圭介

「BOOK」データベースより引用兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委…

風に舞いあがるビニールシート --森絵都

「BOOK」データベースより引用才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために…

琥珀捕り --キアラン・カーソン

「BOOK」データベースより引用ローマの詩人オウィディウスが描いたギリシア・ローマ神話世界の奇譚『変身物語』、ケルト装飾写本の永久機関めいた文様の迷宮、中世キリスト教聖人伝、アイルランドの民話、フェルメールの絵の読解とその贋作者の運命、顕微鏡…

鍵穴ラビリンス --江坂遊

「BOOK」データベースより引用ご存知ですか?物語は圧縮すると結晶になるのです。ここに収められたのは56の短い物語。一つ一つは小さく、だけど、それぞれがキラキラ輝いています。ほら、鍵穴からそっとのぞくと、そこには目もくらむラビリンスが!伝説のショ…

雷電本紀と竹光侍

先日、雷電本紀の感想を書いた際に、「竹光侍」のような描写で松本大洋さんがこの作品を漫画化したらピッタリなのではないか、と書きました。その後「竹光侍」の最新刊が出たので読んだのですがビックリしました。なんと雷電と柏戸の相撲シーンがワンカット…

鎌倉と突然の・・・

ゴールデンウィークはブログも完全休養してゆっくりと過ごす事に専念しました。しかし遠出は出来なかったのでいつもの通り鎌倉へでかけました。北鎌倉を起点にまず腹を満たすべく開店前の「去来庵」へ。既に数組が並んでいる。いつものようにビーフシチュー…

海の底 --有川浩

「空の中」に続き、ようやく2冊目です。実は既に「塩の街」は勇気を出して古本屋さんで購入済みだったのですが積んだまま「海の底」を先に読んじゃいました。 「空の中」に比べ全体の展開が賑やかです。横須賀の米軍基地で行われていた桜祭りを突如巨大な甲…