吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

マイナス・ゼロ --広瀬正

「BOOK」データベースより引用1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械―それは「先生」が密…

ユダヤ警官同盟(上下) --マイケル・シェイボン

「BOOK」データベースより引用安ホテルでヤク中が殺された。傍らにチェス盤。後頭部に一発。プロか。時は2007年、アラスカ・シトカ特別区。流浪のユダヤ人が築いたその地は2ヶ月後に米国への返還を控え、警察もやる気がない。だが、酒浸りの日々を送る殺人課…

モルグ街の殺人・黄金虫 --エドガー・アラン・ポー

モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編 「BOOK」データベースより引用史上初の推理小説「モルグ街の殺人」。パリで起きた残虐な母娘殺人事件を、人並みはずれた分析力で見事に解決したオーギュスト・デュパン。彼こそが後の数々の“名探偵”たちの…

赤×ピンク --桜庭一樹

「BOOK」データベースより引用東京・六本木、廃校になった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ガールファイト、集う奇妙な客たち、どこか壊れた、でも真摯で純な女の子たち。体の痛みを心の筋肉に変えて、どこよりも高く跳び、誰よりも速い拳を、何もかも粉砕…

【新釈】走れメロス 他四篇 --森見登美彦

もっと早く読む予定だったのですが原典となる作品をいくつか読んでいなかったため、そちらを先に読んでました。文庫ではないのですが・・・・先に進みたくて(笑) 「山月記」 (中島敦)文章を書くためにストイックな生活を送る斉藤秀太郎は森見ワールドの…

玩具修理者 --小林泰三

短編の「玩具修理者」と中編の「酔歩する男」の二編です。第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。 「玩具修理者」 ある夏の日。喫茶店の中での二人の男女の会話。女は七つか八つの頃のできごとを男に語っている。「ようぐそうとほうとふ」という名前を持ち…

怪魚ウモッカ格闘記 --高野秀行

「BOOK」データベースより引用探し物中毒の著者は、ある日、インドの謎の怪魚ウモッカの情報を入手、「捕獲すれば世紀の大発見!」と勇み立つ。ルール無し、時間制限無しの戦いが始まった。次々と立ちふさがる困難を砕き、著者は進む。地元漁民の協力を仰ぐた…

ルート350 --古川日出男

比喩表現を使わせてもらえば世界を箱庭に閉じ込めてしまったり、細胞を宇宙にしてしまったり、縦横無尽にスケールを変化させながら発する言葉とビートが機関銃のように乱射されるのは気持ちが良い反面、「的」をはずしやすい気持ち悪さをも伴う。短編集なの…

きつねのはなし --森見登美彦

新潮社Webサイトより引用「知り合いから妙なケモノをもらってね」籠の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やが…

渚にて --ネビル・シュート

題名こそ知っていたもののずっと読まずに来ました。最近、新訳版が出たし、表紙には潜水艦。深海の話しだったっけ?と購入。潜水艦こそ出てきますが全然違います。 ソ連と中国がきっかけで、第三次世界大戦が勃発し、世界各地で核爆弾の応酬となる。結果、北…

鯨の王 --藤崎慎吾

文藝春秋Webサイトより引用小笠原諸島の深海で巨大鯨の骨が発見された途端、盗まれる。未知の鯨の可能性を指摘していたアル中の鯨類学者に、米バイオ企業から調査の依頼がくる。同じ頃マリアナ海域で米海軍攻撃型原潜(SSN)が襲われ、乗組員半数が変死を…