吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ナイフ投げ師 ::スティーヴン・ミルハウザー

「ナイフ投げ師」「ある訪問」「夜の姉妹団」「出口」「空飛ぶ絨毯」「新自動人形劇場」「月の光」「協会の夢」「気球飛行、一八七〇年」「パラダイス・パーク」「カスパー・ハウザーは語る」「私たちの町の地下室の下」の12編です。 集中力がなくても読んで…

暁の旅人 ::吉村昭

幕末から明治時代の本を読むとチラチラと出てくる松本良順の評伝です。この本でどのような役割を果たした人物なのかをかなり知る事ができました。 順天堂大学の創始者、佐藤泰然の次男に生まれ、オランダの医師ポンペに師事した良順はかなり優秀だったためポ…

Self-Reference ENGINE ::円城塔

彼女のこめかみには弾丸が埋まっていて、我が家に伝わる箱は、どこかの方向に毎年一度だけ倒される。老教授の最終講義は鯰文書の謎を解き明かし、床下からは大量のフロイトが出現する。そして小さく白い可憐な靴下は異形の巨大石像へと挑みかかり、僕らは反…

天才の栄光と挫折-数学者列伝 ::藤原正彦

自らも数学者である著者が、天才数学者―ニュートン、関孝和、ガロワ、ハミルトン、コワレフスカヤ、ラマヌジャン、チューリング、ワイル、ワイルズ―九人の足跡を現地まで辿って見つけたものは何だったのか。この世にいて天国と地獄を行き来した彼らの悲喜交…

民王 ::池井戸潤

テレビやラジオから流れる「小鳩政権終焉」騒ぎを聞き流しながらこの作品を読んでいました。本書の主役は自民党政権の末期状態だった頃の政治家がモデルです。 「空飛ぶタイヤ」や「鉄の骨」をはじめとする骨太ながら痛快エンタメを送り出してきた池井戸さん…

ペンギン・ハイウェイ ::森見登美彦

小学4年生のアオヤマ少年とウチダ君とハマモトさんが体験するワンダーランドは今までのモリミーワールドの子供版であり、そして新しいモリミーワールドでもありました。あちらこちらに見られるモリミーらしい何気ないそして巧い表現力は、ますます磨きがかか…

私はフェルメール ::フランク・ウイン

ナチスに協力した売国奴か、一泡吹かせたヒーローか。歴史上最も有名な贋作者の一人となったファン・メーヘレンの栄光と挫折の生涯が、膨大な資料を踏まえ、スピードとスリルに満ちた文体で甦る。(「BOOK」データベースより引用)美術史上最も有名な贋作者…