吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

雷神の筒 ::山本兼一

「火天の城」が面白くて積んでいましたがようやく棚卸しです。織田信長を語る上で鉄砲を抜きにして語ることは難しいでしょう。織田軍が武田信玄との戦いで鉄砲の三段撃ちを行ったという話は有名ですが実際はその戦法で勝負をつけたわけではなく、最終的には…

図書館を利用するのだ

ここのところ図書館を利用する機会を増やしております。おかげで文庫待ちしていた作品が、少しだけ早く読めるようになりました。図書館をよく利用する方にとっては何を今更って内容で申し訳ないですが見逃してください。実は12月に北海道に住む母が癌の手術…

猫を抱いて象と泳ぐ /小川洋子

チェスがらみの作品という事は聞いてましたが、題名とどう繋がるのか疑問でした。わかってみると、いい題名だと思います。 全体を通してとても静かな物語です。屋上の象、バスの中で暮らすマスター、リトル・アリョーヒンの人形、全てが違う切り口で描かれて…

跳躍者の時空 ::フリッツ・ライバー

今年初の奇想コレクションです。10篇中半分が天才猫ガミッチシリーズからということで、表紙を含めて猫だらけの作品です。他の作品にも猫がちょっとだけでてきたりするので猫好きさんにはたまらないでしょう。作者は猫好きだけあって猫の仕草の描写が目に浮…

宇宙舟歌 /R.A.ラファティ

かのホメロス「オデュッセイア」の舞台を宇宙におきかえ、われらがロードストラム船長とその乗組員たちが繰り広げる大冒険を綴ったラファティ版英雄叙事詩。一行が向かうのは、快楽を貪る世界、巨人たちが毎日死ぬまで戦う世界、時間が異様に速く過ぎる世界…

第七官界彷徨 ::尾崎翠

津原泰水さんの「琉璃玉の耳輪」を読んで興味を持った尾崎翠さん。飛びぬけて面白いわけではないが、何とも不可思議な作家さんだ。 痩せたひどく縮れた赤毛の女、小野町子は小野一助、二助の妹であり佐田三五郎の従妹。ひとつ屋根に同居しているこの4人を中…

海賊の世界史(上下) ::フィリップ・ゴス

多島斗志之さんの「海賊モア船長の遍歴」を読んで自分の中で海賊が盛り上がっていたところタイムリーにも復刊されたため即入手&積んでおきました。年末から読み始め、この作品を最初の記事にする心積もりだったのですが、上下巻のため時間がかかりその間に…

琉璃玉の耳輪 /津原泰水

尾崎翠/原案 年末に読んだ「バレエ・メカニック」が微妙だったため、多少心配しましたが杞憂に終わりました。今年はじめての感想記事がこれでよかったと思います。 原案/尾崎翠となっているが、映画向けの脚本として書かれたものを津原泰水がアレンジして小…