吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

オリンピア ナチスの森で ::沢木耕太郎

ベルリンオリンピックの記録映画「オリンピア」は評価が高いというのは知っていますが実際には観たことがありません。ナチスドイツのプロパガンダ映画と言われた作品がなぜ評価が高いのだろうという疑問がありますが、実際に観ない事には判断はできませんね。…

本に埋もれて暮らしたい /桜庭一樹

桜庭一樹読書日記の第四弾です。相変わらずの読書量に驚き、編集者たちとの間に交わされる日常の楽しい会話が楽しめます。桜庭さんの読む本と自分の読む本のシンクロ率は徐々に上がっているような気がしていますが、それでもまだまだ知らない本がいっぱいあ…

ロールシャッハの鮫 /スティーブン・ホール

エリック・サンダーソンは目を覚ました。だが自分が何者で、どこにいるのか、まったく思い出すことができない。失われた記憶の手がかりは、今は亡き恋人クリオとの日々を綴った日記だけ。真実を知るというドクター・フィドーラスを探すべく、エリックは気む…

少女外道 /皆川博子

これは題名的にちょっと抵抗がありました(苦笑)ま、変な作品ではないですから気にしなくていいんですけれど。。。おっさんは困ってしまうのだ。 「蝶」ではガツンとやられてしまいましたがこの作品は主に語り部が子供の頃、日本が戦争に大きく関わっていた…

アクアポリスQ /津原泰水

水没したQ市の沖合いに浮かぶ人工の島、アクアポリスを舞台にしたSFです。コンピュータで完全管理された島と、「空虚」という出来事をきっかけに混沌に陥った日本を「統治府」が支配している。空虚によって「希薄者」となった人々が憑依されると、モンスタレ…

四畳半王国見聞録 ::森見登美彦

事前知識がなく、題名を見る限り「四畳半神話大系」の題名に絡めたエッセイ集とばかり思っていたが小説だったのね。ちょっと違うけれど。マキメ作品で言うところの「ホルモー六景」のような位置付けのようにも感じます。「四畳半七景」みたいな(笑) 「四畳…

こんな話を聞いた ::阿刀田高

久しぶりに読もうかなと思いながら入手したにもかかわらず、更に塩漬けにしていました。18の短編集です。各作品の出だしが全て「こんな話を聞いた」ではじまります。そして短いエピソードがあり、続けて本編に入るフォーマットで統一されている。エピソード…

草祭 /恒川光太郎

不思議な町、「美奥」を舞台にした連作短編5篇の物語です。先月読んだ「南の子供が夜いくところ」は南国を舞台にしていたがこれはどこか懐かしさを感じさせる日本的情緒溢れる作品でした。子供の頃に遊んだ野原や林、古い家屋や駄菓子屋などの記憶が読みなが…

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター /五十嵐貴久

今か今かと思いつつ、なかなか文庫が出ないので図書館で借りてしまいました。題名はもちろんディープ・パープルの有名曲「スモーク・オン・ザ・ウォーター」がらみ。40歳代の主婦がひょんなことからロックバンドを組むことになって「スモーク・オン・ザ・ウ…