吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

下町ロケット /池井戸潤

宇宙科学開発機構でエンジン開発に関わっていた佃航平は父親の跡を継ぎ、精密機械製造業の佃製作所の社長となっている。大学や研究所での研究実績をもとに今ではエンジンや周辺デバイスを手がけている会社だ。技術力は大企業をも凌ぐとの評判だが、特に研究…

プリンセス・トヨトミ ::万城目学

映画が上映される前にとにかく読もうと決めていましたが、何とか間に合いました。 会計監査院の松平、鳥居、旭の三人が大阪出張し、いくつかの組織を調査する。その中の一つに謎の組織「財団法人OJO」があり、過去の情報がやけに少なく何をしているのかもわ…

失われた探険家 ::パトリック・マグラア

19編と既読の奇想コレクションで最も作品数が多いかな?と調べたら「蒸気駆動の少年」が23編だったから第2位。 短い分読みやすいが、それでも理解しきれない作品がチラホラ。雰囲気的には似通った作品もあって、途中、食傷気味になったが(苦笑)こんな奇想も…

後藤新平 日本の羅針盤となった男 /山岡淳一郎

東日本大地震による復旧、復興はまだまだ先が見えていない。地震によって原子力問題が噴出し、電力会社の対応が注視される中、当然ながら政治家の真価も問われる状況になっている。 電力会社経営陣の不誠実な対応や、政局に時間を費やす政治家については改め…

人質の朗読会 /小川洋子

すっかり小川洋子フリークになっている気がする。題名からは内容が推察できなかったが、最初にその謎が明かされる。海外で日本人のツアーバスがテロリストによって襲われ、ガイドと客の合計8人が拉致される。その事件が人々の記憶から薄れかけた頃、特殊部隊…

たまご猫 ::皆川博子

短編集だが、ほとんどの作品で共通しているのが生きている人と死んでいる人の区別がつかないこと。ホラーとも言い切れないところが皆川作品らしくもあるのか。解説の東雅夫氏は幽霊小説としています(笑)「蝶」のように人間の深淵を描いていることは共通し…

兵士はどうやってグラモフォンを修理するか /サーシャ・スタニシチ

伊藤計劃の作品には時代こそ違うが旧ユーゴスラビアで起きた事を下敷きにした舞台装置があり、それを傭兵の目線で描いている。伊藤作品(虐殺器官や短編)には、生きるために兵士となる子供たちの目線で描く作品はあったがしかし頭を撃ち抜かれ、轍に倒れて…

伊藤計劃記録:第弐位相 ::伊藤計劃

第弐位相とは伊藤計劃が亡くなる直前まで書いていたブログの題名でもある。よってブログからの抜粋がかなりある。ブログはまだ存在するので、本書のかなりの部分はネットで読むことができる。が、しかし伊藤計劃の本は揃えておこうと思っている身としては買…