吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

博士の本棚 ::小川洋子

小川さんの読書遍歴など本に関するエッセイ集です。ご自身が影響を受けた本への愛情が感じられます。言及されている本は、ほとんど読んでいない本なのであまり共感できないのが残念でしたが。かなり短い文章がいっぱいなので、いくつか印象的だったものを取…

偉大なる、しゅららぼん ::万城目学

先般読んだ「プリンセス・トヨトミ」は期待が大きすぎたこともあり、微妙な感想になってので今回はあまり期待しないで読みました。ところがどっこい、今回はまたまたいい意味で裏切ってくれました。面白いじゃないですか!個人的には甲乙つけ難い「ホルモー…

猫鳴り ::沼田まほかる

最近、豊崎由美さんの「ユリゴコロ」の書評を読んで、以前豊崎さんが書いた「猫鳴り」の書評を思い出した。読みたいと思わせるのにどこか引っ掛かる書評だった。絶賛しているけれど、読者にそれなりの覚悟を求めているような印象は、ずっと頭のどこかに残っ…

ふたりジャネット ::テリー・ビッスン

「熊が火を発見する」「アンを押してください」「未来からきたふたり組」「英国航行中」 「ふたりジャネット」「冥界飛行士」「穴のなかの穴」「宇宙のはずれ」「時間どおりに教会へ」 以上9編 まずはなんといってもヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、…

「あ」の作家

【あ】●赤瀬川原平新解さんの謎●朝倉かすみ肝、焼ける田村はまだか●阿刀田高ナポレオン狂冷蔵庫より愛をこめてこんな話を聞いた●阿南友亮中国はなぜ軍拡を続けるのか●阿部和重アメリカの夜幼少の帝国: 成熟を拒否する日本人ABC戦争インディヴィジュアル・プ…

「い」の作家::Part1

【い - 1】●飯沢耕太郎ザンジバル・ゴースト・ストーリーズ●飯嶋和一汝ふたたび故郷へ帰れず雷電本紀神無き月十番目の夜始祖鳥記黄金旅風出星前夜狗賓(ぐひん)童子の島星夜航行 上巻星夜航行 下巻●五十嵐貴久リカTVJ1985年の奇跡2005年のロケットボーイズ安…

「い」の作家::Part2

【い - 2】●伊丹十三ヨーロッパ退屈日記●一橋文哉モンスター●伊藤彰彦映画の奈落: 北陸代理戦争事件●伊藤薫八甲田山 消された真実●伊藤計劃虐殺器官メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオットハーモニー伊藤計劃記録伊藤計劃記録:第弐位相屍者の帝国…

「う」の作家

【う】●上原善広路地の子●上前淳一郎アキラ! 加藤明・南米バレーボールに捧げた一生●鵜飼秀徳無葬社会 彷徨う遺体 変わる仏教●内澤旬子センセイの書斎―イラストルポ「本」のある仕事場●内田百ノラや●内橋克人匠の時代1-12●内堀弘ボン書店の幻●宇月原晴明信…

「え」の作家

【え】●江坂遊仕掛け花火ひねくれアイテム鍵穴ラビリンスきまぐれラボ「バンパイヤ」第二部完結編●円城塔Self-Reference ENGINE後藤さんのことこれはペンですオブ・ザ・ベースボール烏有此譚道化師の蝶バナナ剥きには最適の日々屍者の帝国(&伊藤計劃)シャ…

「お」の作家

【お】●大倉直陸軍将校のつくったチーズ脱ニッポン人生 自分の居場所の見つけ方●大崎善生聖の青春将棋の子いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件●大島堅一原発のコスト -エネルギー転換への視点●大谷正日清戦争●小川洋子博士の愛した数式猫を抱いて象と泳ぐ原稿…

三陸海岸大津波 ::吉村昭

勿論、今回の東日本大震災をきっかけに読んだ作品です。明治29年、昭和8年の地震によって三陸海岸で起きた大津波と、昭和35年のチリ沖大地震で起きた大津波、都合3回の大津波で何が起きていたかを描いている。吉村氏らしい記録に徹する姿勢が、よりリアルさ…

空白の五マイル /角幡唯介

副題::チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む 開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞のダブル受賞作品です。 著者は早稲田大学探検部OB。すなわち高野秀行さんの後輩です。 大学卒業後に朝日新聞で5年間の記者生活を経ているが、大学…

マガジン青春譜―川端康成と大宅壮一 ::猪瀬直樹

イメージとして川端康成と大宅壮一を結び付けたことは無い。むしろ全く真逆な印象しかない。 川端作品はずっと昔に読んだきりだし、大宅に関しては一冊読んだきりである。 ただし、大宅壮一ノンフィクション賞に関しては興味がある。 と書きつつ講談社ノンフ…

文明崩壊(上下) /ジャレド・ダイアモンド

いまだに人気があって借りられない「銃、病原菌、鉄」に業を煮やし、本書を先に読んだが上巻を読んだのが4月。なんだかんだと結局下巻との間に9冊も挟んでしまった。 上巻ではイースター島やマヤ文明の崩壊が描かれているが、全体を通して著者が力点を置いて…