吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

注文の多い注文書

著者:小川 洋子、クラフトエヴィング商會出版社:筑摩書房 単行本で読み逃していたので文庫が出た機会に読む。やはりもっと早く読むべきだった。小川洋子の「注文書」、クラフトエヴィング商會からの納品書、そして小川洋子の「受領書」を基本構成として、…

クジラアタマの王様

著者:伊坂幸太郎出版社:NHK出版 製菓会社のサラリーマン、人気芸能人、政治家3人が現実と夢で戦い、それらがリンクしているという掴み難いストーリー。夢のパートは数ページのRPGを思わせる挿絵というか漫画が挿入される。パラレルワールドなのかな?と疑…

家康謀殺

著者:伊東潤出版社: KADOKAWA 裏切ったり裏切られたりを繰り返して敵味方がわかりにくい戦国時代だが、大義のため、信念のため、矜持のため、世話になった人のため等々、自分の欲望や生き残るために裏切るのではなく、自らの死をもって裏切る選択をした人が…

プリンスと日本 4EVER IN MY LIFE

監修:CROSSBEAT編集部、TUNA 出版社: シンコーミュージック プリンスの訃報に接してから約3年。今でも実感は無い。80年代から存在する日本のファンクラブや、プリンスとかかわりのあった人たちのインタビューは愛情が感じられた。関係者じゃないとわからな…

月人壮士(つきひとおとこ)

著者:澤田瞳子出版社:中央公論新社 螺旋プロジェクト3冊目。プロジェクトの土台となる山族と海族の対立は天皇家と藤原氏に置き換えられていたが今までの中では控え目な扱い。人名の読み方が面倒なうえ、家系図をたびたび確認するためテンポよく読めず、時…

世にも危険な医療の世界史

著者:リディア・ケイン/ネイト・ピーダーセン翻訳: 福井久美子出版社:文藝春秋 実際こんなことがあったのだろうか?と現代から考えると驚愕の療法がこれでもかと紹介されている。面白おかしく皮肉を込めた文体がよりインチキ感を煽るが、意図的なインチ…

金剛の塔

著者:木下昌輝出版社:徳間書店 木下さんが少しだけとはいえ現代を描いたのは初めてではないでしょうか。ちょっと新鮮でした。 地震で倒壊したことがない五重塔の歴史と建築にかかわる職人たちの様を、時代を超えて描いている。昨年、森美術館で「建築の日…