吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史

著者:牧久出版社:小学館 松崎明という革マル派が労働組合を利用しながら国鉄、JRを牛耳っていたという事実にうんざりする。その昔、本書でも参考にされている立花隆の「中核VS革マル」を読んだが、その時の内ゲバや対立、分裂がそのまま国鉄、JR内で展開さ…

戦国十二刻 始まりのとき

著者:木下昌輝出版社:光文社 応仁の乱の相国寺炎上から脈々と繋がるその後の時代の変わり目を描く連作集。 登場人物たちにかかわるアイテムがうまい具合に繋がっていて楽しめる。 稲葉城乗っ取りにまつわる「小便の城」は他の話とは雰囲気が違いコミカルに…

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

著者:ブレイディみかこ出版社:新潮社 イギリスに住む著者と子供を通して見えてくる様々な現実に考えさせられる。人種や格差問題が親しみやすい文体でとても分かりやすい。いずれ日本にも同様の問題が溢れてくるだろう。子供たちの置かれた環境がいかに大人…

サイバー完全兵器 -世界の覇権が一気に変わる-

著者:デービッド・サンガー翻訳: 高取芳彦 出版社:朝日新聞出版 アメリカだけが最先端のサイバー兵器を駆使しているわけではない。ロシア、中国、イラン、北朝鮮等、アメリカにとっての脅威は増大する一方だ。もちろんそれは日本をはじめとする世界のどの…

穴の町

著者:ショーン・プレスコット翻訳:北田絵里子 出版社:早川書房 町に関する本を書こうとしている作家志望の主人公が特に特徴のない町に住みつく。活気がない廃れつつある町に住み続けている人たちの閉塞感が読み手にも感染してくる。感覚的ではなく物理的…