吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ワン・モア・ヌーク

著者:藤井太洋出版社:新潮社 近未来のリアルを描くことが多い作家さんだが、これは2020/3/6~3/11という期間の話しなので、もう目前である。3.11を題材とする本書は東京に持ち込まれた原子爆弾を利用して政府にある要求を求める人物、その人物と同床異夢の…

小鳥たち

著者:山尾悠子人形:中川多理出版社:ステュディオ・パラボリカ 山尾悠子の紡ぐ幻想的な物語と、物語の中の侍女(小鳥たち)をイメージして中川多理が人形を創作し、さらに山尾悠子が続編を紡ぎ、またまた中川多理が人形を作る。 名前だけではぴんと来なか…

老乱

著者:久坂部羊出版社:朝日新聞出版 高齢化社会の先頭を走る日本にとって認知症の増加は避けて通れない。自分の母親もアルツハイマー型認知症が進行し、身内のこともわからず、話すこともできずに寝たきりとなっているため、この作品を無視できなかった。 …

ペニス

著者:津原泰水出版社:早川書房 津原作品を読み続けてきたが、この作品に限っては随分前から読むか読むまいか悩ましい存在だった。古書店でも見つけることはできなかったが、図書館にあることは知っていたので、その気になればいつでも借りられる。でも題名…

真鍋博の植物園と昆虫記

著者:真鍋博出版社:筑摩書房 星新一を愛読してきた人からすれば真鍋博や和田誠のイラストを思い浮かべながら懐かしい作品に思いを馳せる事でしょう。特に真鍋博に関しては特別ではなかろうか。星新一作品のイメージを補完しているのだが、実のところあまり…

「Twitter文学賞」終わるってよ

2020年2月9日いっぱいで「Twitter文学賞」が終了します。第1回こそ投票し損なったのですが、2回目以降は投票してきました。もう締め切り日が近いのですが、ご興味のある方は下記サイトを参照してから投票してみてはいかがでしょう。 ついでに自分は今まで何…

おちび

著者:エドワード・ケアリー翻訳:古屋美登里 出版社:東京創元社 「おちび」とあだ名されるマリー・グロショルツこと、のちのマダム・タッソーの人生が描かれる。主な舞台となるパリ、フランス革命前後の史実と重ね合わせマリーの境遇が過酷すぎる。芯の強…