吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

子どもたちの階級闘争 -ブロークン・ブリテンの無料託児所から-

著者:ブレイディみかこ出版社:みすず書房 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」で書かれていた時期より前にイギリスの無料託児所で保育士として経験したこと、感じたことが綴られる。「底辺託児所」と本人は称しているが、その託児所に預けられ…

御社のチャラ男

著者:絲山秋子出版社:講談社 ジョルジュ食品という会社に、クセの強い社長の伝手で中途入社してきた 部長(=チャラ男)を巡るお話。 と言いたいところだが、チャラ男が主役という感じではない。 会社内の社員たちの視点で語られる様々な人間模様が次々と語…

銀河の片隅で科学夜話

著者:全卓樹出版社:朝日出版社 サブタイトルは「物理学者が語る、すばらしく不思議で美しい この世界の小さな驚異」 久しぶりに内容を引用します。自分の言葉ではうまく説明できないので。 内容(「BOOK」データベースより)流れ星はどこから来る?宇宙の…

ストーカーとの七〇〇日戦争

著者:内澤旬子出版社:文藝春秋 内澤さんの著書を読むのは2冊目。ご本人がストーカー被害にあってしまったことを包み隠さず書いているが、ここまで自分のことを書くのは辛かっただろう。ストーカー事件を題材にしている書籍は少なく、ましてや本人が経験を…

茶聖

著者:伊東潤出版社:幻冬舎 「天下人の茶」では秀吉と利休の関係を、周囲の人からの視点で紐解いていたが、 本作はがっつりと利休の内面が描かれていた分、格段に面白い。 信長、秀吉に重用され、茶の湯で武人を鎮め静謐を求め続ける利休の生涯が描かれる。…

信長公記―戦国覇者の一級史料

著者:和田 裕弘出版社:中央公論新社 織田信長に関連する作品では基本中の基本となる「信長公記」。いつかは読んでおきたかったが、興味深い部分を抜粋して解説してくれている新書として読めたのは嬉しい。信長の身近にいた筆まめの太田牛一が残した記録だ…