吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

中国・アメリカ 謎SF

編集・翻訳:柴田元幸/小島敬太出版社:白水社 確かに謎SFである。装丁もホワホワしていて味わい深い。日本ではまだ馴染みのないアメリカと中国の作家の作品を柴田、小島両氏が紹介してくれているアンソロジー。 印象深い作品をいくつか挙げる。 およそSFら…

フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

著者: 高橋昌一郎出版社: 講談社 天才の思考回路ってどうなっているのだろう、と考えても分かりませんが。 フォン・ノイマンの天才ぶりは「チューリングの大聖堂」でもたっぷりと 教えられたものだが、改めて途轍もない天才なんだと思い知らされる。 サブ…

消失の惑星【ほし】

著者:ジュリア・フィリップス 翻訳:井上里出版社:早川書房 ロシア東部のカムチャツカ半島で幼い姉妹が行方不明になるところから物語は始まる。 半島で暮らす登場人物たち、特に女性たちの様々な物語が淡々と綴られる。 人種差別や性差別、世代間の違いな…

中国・SF・革命

著者:・小説 ケン・リュウ/柞刈湯葉/郝景芳/王谷晶/閻連科/佐藤究/上田岳弘/樋口恭介/・エッセイ イーユン・リー/ジェニー・ザン/藤井太洋/立原透耶 出版社:河出書房新社 勝手に中国人作家によるSFアンソロジーだと思っていたが中国を舞台にし…

ババヤガの夜

著者:王谷晶出版社: 河出書房新社 喧嘩上等、暴力に飢えている新道依子が暴力団の一人娘、尚子の ボディーガードとして雇われる。 キャラが全く違う二人の女性をバイオレンスを散りばめながら小気味よく描く。 粗削りな展開だと思うがその粗さも本作の魅力…

応仁悪童伝

著者:木下昌輝出版社:角川春樹事務所 なかなか理解が進まない応仁の乱だが、たくましく生きる子供たちの目線で描いているためか分かり易い。それでも大いなる内輪揉めのため登場人物の名前でどちらの陣営かを判断するのは難しいので巻頭にある登場人物のペ…

剱岳-線の記-平安時代の初登頂ミステリーに挑む

著者:高橋大輔出版社:朝日新聞出版 明治40年、剣山初登頂と思われた測量隊が山頂で見たものは錫杖頭と鉄剣。 装備が無い平安時代に誰が何のために登頂したのかの謎を探るノンフィクション。 この人の作品は2冊目だが、名前が有名なフィギア選手と同じなの…

幻のアフリカ納豆を追え! : そして現れた<サピエンス納豆>

著者:高野秀行出版社:新潮社 前作のアジア納豆の次はアフリカを含むより広い世界に目を向ける 高野さんとその仲間たちの納豆への探求心が止まらない。 納豆は日本だけの食品ではないというのは確かに驚きだが考えたこともない。 それが案外広範囲の地域に…