吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

同志少女よ、敵を撃て

著者:逢坂冬馬出版社:早川書房 アガサ・クリスティー賞は初めて読んだが、賞の名称と本作の内容の印象がだいぶ違った。 冒頭で、大木毅さんの「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」からの引用があり、題名から受けていた印象よりも硬派な作品かも、と思わせる。その後…

小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇

編集:伊坂幸太郎 出版社:筑摩書房 「小説の凄さ」を知りたいけれど、一体何から読めばいいのかわからない人を対象に伊坂幸太郎が好きな短編を集めたアンソロジー。とのことで読んでみた。 著者と作品は下記の通り。 眉村卓: 「賭けの天才」井伏鱒二: 「…

塞王の盾

著者:今村翔吾出版社:集英社 高い抑止力(石垣)で戦うことを諦めさせるか、圧倒的攻撃力(鉄砲)で戦いを 終わらせるか。 大津城を主舞台に、共に戦のない世を目指す職人たちの矜持と矛盾を描くストーリーは 最初から最後まで飽きさせない。 戦の最中にも…

星新一の思想

著者:浅羽 通明 出版社:筑摩書房 最相葉月「星新一 一〇〇一話をつくった人」とは違い、 あくまで作品を解析することで星新一を語るというアプローチで 最相作品と双璧を為す力作でした。 現代の技術的、社会的状況と作品の先見性を結び付ける点に関しては…