吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

まっとうな人生

著者:絲山秋子出版社:河出書房新社 精神病院からの脱出行を描いた前作『逃亡くそたわけ』から十数年が経ち、 花ちゃんとなごやんはあれからお互いに家族を持ち、偶然岡山で再会する。 前作から随分経過したが、方言を効果的に織り交ぜながらの会話は変わら…

高く翔べ-快商・紀伊國屋文左衛門

著者:吉川永青出版社:中央公論新社 名前は知っているようで実はよく知らない人物だったが、 Wikiにもあるように架空の人物説がある位、謎が多いようだ。 一代で豪商となり、店を閉じてしまった経緯を追うと 著者特有の爽やかさもあって、まさしく快商。 魅…

走る赤 -中国女性SF作家アンソロジー

出版社:中央公論新社 武甜静/編橋本輝幸/編大和実/編訳 女性作家14人によるアンソロジー。作家の性別はあまり気にならなかったが、 人口が多いとはいえ、中国の女性SF作家の豊富さは世界のどの国をも 凌駕しているのでは? それも大学で基礎をしっかり学…

映画を早送りで観る人たち-ファスト映画・ネタバレ-コンテンツ消費の現在形

著者:稲田豊史 出版社:光文社 題名通りの新書だが、考えてみたことのない内容だったので 勉強になったというか何と言うか。 ファスト映画サイトの存在は知っていたが興味が無かったので見たことすらない。 話題に遅れたくないのだろうくらいは予測できるが…

孤剣の涯て

著者:木下昌輝出版社:文藝春秋 過去のいくつかの作品から連なるような構成っぽいが 徳川家康に呪いをかけた犯人を捜しだすよう依頼された宮本武蔵のイメージが 「敵の名は、宮本武蔵」からガラリと変わってしまい戸惑う。 戦国の世が急速に終末に向かう中…