吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

山尾悠子

仮面物語: 或は鏡の王国の記

著者:山尾悠子出版社: 国書刊行会 長きに渡り封印されてきた作品をようやく読むことができた。 初期のころから山尾悠子作品の持つ幻想的な雰囲気は かなり確立されていたのだと思う。 物語を理解しきれたか?と問われればいつも通り自信は無いが、 状況や…

迷宮遊覧飛行

著者:山尾悠子出版社: 国書刊行会 少しづつ読んでいたので時間がかかってしまったが、何度でも再読できる内容の エッセイやら書評やら。 肩の力を抜いた文章もあれば影響を受けた作家さんたちへの 熱いオマージュが感じられる文章もあり、いずれも読んでい…

新編 夢の棲む街

著者:山尾悠子編集:今野裕一装幀:ミルキィ・イソベ + 安倍晴美人形・写真:中川多理発行:ステュディオ・パラボリカ 収録作品が3篇+後記、中川多理が人形を添え、川野芽生が解説し 薔薇色の装幀で箱入りのまさにアートと呼べるコラボ作品。 少し離れたと…

2021年の5冊

バタバタしてるので簡単に。2021年の読書数は55冊と相変わらず低調。そのなかから印象的だった5冊は下記のとおり(順不同) ■テスカトリポカ 佐藤究 ■三体III 死神永生(上・下) 劉慈欣 ■インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー 皆川博子 ■夜想#山尾悠子 山…

夜想#山尾悠子

出版社: ステュディオ・パラボリカ 雑誌「夜想」の山尾悠子特集号。 読み応えたっぷり。 山尾悠子の作品は読んでいるものの、多分半分も理解できていないことは 認識している。 山尾悠子に思い入れのある人たちの評論や熱い感想を読むにつれ、 その認識が正…

山の人魚と虚ろの王

著者:山尾悠子出版社:国書刊行会 わずか130ページにゆったりと描かれる世界は夢か現か。 冒頭に書いてあるように、若い妻との新婚旅行の話しである。 夢の話しなのか、幻想なのか、曖昧な時間の展開や 不思議な登場人物たちの存在など何もかも不確かなもの…

小鳥たち

著者:山尾悠子人形:中川多理出版社:ステュディオ・パラボリカ 山尾悠子の紡ぐ幻想的な物語と、物語の中の侍女(小鳥たち)をイメージして中川多理が人形を創作し、さらに山尾悠子が続編を紡ぎ、またまた中川多理が人形を作る。 名前だけではぴんと来なか…

2019年の読書を振り返る

今年は「ヤフー」から「はてな」に引っ越しという転機が訪れ、初心に戻って拙い感想を綴っている。いつまで続きますか。毎年その年の印象的な本を10冊程度リスト化していたので、はてなブログ移籍後初めての印象に残ったリストを書きたいと思います。 2019年…

飛ぶ孔雀

著者:山尾悠子出版社:文藝春秋 「飛ぶ孔雀」「不燃性について」の二部構成。ひとつひとつの話しは状況描写として理解できるのだが、それらが繋がる事が無くきっと理解できない大きな背景があるのだろうが掴めないもどかしさ。熱に浮かされ、気が付いたら知…

歪み真珠

著者:山尾悠子出版社:筑摩書房(ちくま文庫) 一切無駄のない濃縮された短編集に感想を述べるほどの適切な言葉がなかなか見つけられない自分が歯がゆい。ある状況の断片を描いているだけで小説なのか?と思うものもあるが、著者の紡ぐ美しくて残酷で幻想的な…

2019年2月の読書リスト

たった2~3日短いだけなのに他月と同じペースで考えてないか?と発注先への不満をここに書いても解決しないのだが、書いてみた。「Q10」の直後に読んだ「リハーサル」。内容のギャップに眩暈が(苦笑)ストーリー展開としては粗さを感じたが、「リカ」シリー…

2012年4月の読書リスト

いつの間にか5月も中旬に。。。4月20日過ぎだったか、相方に任せたら暗証番号を3回以上間違えてしまい銀行のキャッシュカードが使えなくなりました。銀行印がどれだったか不明のため、本人が解除手続きしないといけなかったのですが、仕事の都合で解除できた…