吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2012年3月の読書リスト

何とか今月中の更新に間に合いました。
時間を作ると本を読むことに割いているので読書感想までなかなか手がまわりません。
あと、着々と進んでいるのがダイエット。12月から体重が7キロ近く減ってます。
特に努力はしていませんが、さすがにこのあたりで固定したほうが良さそう。
コントロールできればいいのだが。。。
そのせいなのか花粉症の症状がいまだに出なくて、何年ぶりだろうというくらい平穏な春でもあります。

 

今月は短めの作品が多く、7冊読めました。



2012/3/8読了
/琥珀の眼の兎
エドマンド・ドゥ・ヴァール
 イギリス人の著者は大叔父から264個根付を相続する。
 根付の来歴を辿ることで一族の歴史を知ることになるというノンフィクション作品。
 イギリスで高評価を得たとのことだが、正直引きつけられたのは後半過ぎ。ナチスが台頭し、
 富豪だった一族が没落していくあたりでようやく集中できた感じでした。
 題材としては面白かったので、プロのノンフィクション作家が料理したら
 最初から楽しめたのではないか?と思うが、それでは身も蓋も無いか(苦笑)



2012/3/11読了
::PK
伊坂幸太郎
 「PK」 「超人」 「密使」の三作品収録。
 久しぶりの伊坂作品。三つの中編で構成されているが、時間軸を変えながらリンクしている
 いつもの感じ。
 震災後の伊坂作品はどうなるのだろうとずっと気になっていたが、震災前に書かれたものだった。
 しかし、震災後に書かれたのではないか?と思えるような、前向きの連鎖を感じさせ、
 かつ相変わらずの爽快さを伴う読後感が良かった。



2012/3/17読了
/ルーズヴェルト・ゲーム
池井戸潤
 企業の野球部を題材としている企業小説。作品展開は定型化しつつあるが、
 容易に登場人物たちに共感でき、相変わらず熱くさせてくれる。
 物語としてはちょっと深みに欠けるが、何よりも読後感が爽快で元気になれる。



2012/3/18読了
::仙台ぐらし
伊坂幸太郎
 「PK」を読了した日、たまに訪れる書店で入手できました。通販でしか読めないと思っていたので
 良かった。
 エッセイ集だが、震災後のことなども含まれていた。
 いずれも伊坂幸太郎という人柄を感じさせてくれる。前にも書いた記憶があるが再度書く。
 「好青年だね~」



2012/3/22読了
/オブ・ザ・ベースボール
円城塔
 「オブ・ザ・ベースボール」 「つぎの著者につづく」の二作品収録。
 「オブ・ザ・ベースボール」は円城作品としてはわかり易い部類だと思うが、
 設定としては空から降ってくる人をバットで打ち返すって話しだからなあ(笑)
 「つぎの著者につづく」は眩暈がしそう。でも「つぎに~」の方が
 その後の円城作品の基本ではないか?と思う。
 ラファティを意識しての題名なのだろうが、肝心の「つぎの岩につづく」を積みっぱなしのまま。
 と思っていたらこの作品を書いた時点ではラファティを読んだことが無いってインタビュー記事を
 見つけた。やっぱり眩暈が(笑)



2012/3/25読了
::決断する力
猪瀬直樹
 震災時に猪瀬直樹が何をしていたか、というのは多くの人が知っていることなのでしょうか。
 猪瀬を好きな人も嫌いな人も、震災時の猪瀬の行動力と決断力は知っておくべきでしょう。
 今後を生き抜くためには参考になることが多いと思います。
 ツイッターやブログなどで知っていたことではあるが、それでもまとめられていると
 当たり前の言葉や考え方なのに「力強い言葉」に感じる事ができる。



2012/3/30読了
/犯罪
フェルディナント・フォン・シーラッハ
 ようやく読めました。ツイッター文学賞で3位の作品。
 著者はドイツの刑事事件弁護士。現実の事件を基にした短編集なので、それそれの作品の
 登場人物たちはほとんどが題名どおり犯罪者。
 しかし、極力感情移入を排除した法律家らしい目線で描かれる人物像がやけに優しく、
 犯罪者を犯罪者として見られない。犯罪を良しとするわけではないが「罪を憎んで人を憎まず」
 という言葉を思い起こす作品だった。
 評価の高さにも納得。読み始めてすぐに次の新作「罪悪」を予約しました。



7冊中6冊が「あ行(ア行)」の作家でした。偶然とはいえ、「あ行」の作家はそんなに多いのか?