吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2014年6月の読書リスト

ワールドカップは残念ながら敗退しましたが、決勝トーナメントはアルゼンチンを応援中。
予約本がコントロールできなくて短編集なら合間に読めるなと積んでいる本から取りいだしたる「ミサイルマン」。
久しぶりに味わったら刺激が強くてどのみち一気に読めないし。恐るべし平山夢明
世界が全く違う伊東潤祭りも併せて楽しんだ月だった。
しかし脳が疲れる(憑かれる?)読み方でもある。



 2014/6/5読了
 /天地雷動
 伊東潤
 有名な長篠の戦いに至るまでを描いている。新しい武器が今後の戦いを変えていく
 普遍性、生き抜くための葛藤を勝頼、家康、秀吉、帯刀の視点を通して
 面白く読めた。
 ただ、まるで核兵器まで予測しているかのような記述は強引な感じで引っかかった。



 2014/6/14読了
 /武田家滅亡
 伊東潤
 「天地雷動」で三部作だということを知り読む。信玄亡き後、武田家が滅亡する
 までの過程が事細かく描かれ、読み応え十分な作品だった。
 さまざまな人物の心理描写や行動が、その後思いもしない状況を生み出したり
 繋がっていく様に、無常感。



 2014/6/19読了
 /遺言―桶川ストーカー殺人事件の深層
 清水潔
 「殺人犯はそこにいる」を読み、この「遺言」も読んでおきたいと思ったが、
 同じように思った人が結構いたのか、ちょっと前の作品にもかかわらず、
 なかなか順番が回ってこなかった。
 当時の報道でこの事件は知っていたがどうも事件の内容がしっくりいかない印象が
 あった。
 警察にとって都合の悪い情報の隠蔽、捏造、被害者やそのご家族を冒涜する酷さ、
 御用聞きのようなマスコミ。
 成程これでは一般人は分からないのは当然だ。清水さんの執念には頭が下がります。



 2014/6/22読了
 /鼻に挟み撃ち 他三編
 いとうせいこう
 表題作はゴーゴリ後藤明生などの知識がないのでさほど楽しめないが、
 「鼻の鼻歌」にウケた。
 思わぬところで金井克子が懐かしい。
 どの作品にも何とも形容しがたい痛さが伴う。



 2014/6/26読了
 /モンスター 尼崎連続殺人事件の真実
 一橋文哉
 関係者が多すぎて相関図があるにもかかわらず分かりにくい事件。
 北九州連続監禁殺人事件同様、人間の弱さを利用する残酷な展開にうんざりする。
 推論が多い気がするが、複雑すぎるので仕方がないのだろうか。
 この事件でも警察の不手際が目立つが、こんなことに巻き込まれた場合、
 いったい何を頼りにすればいいのだろう。



 2014/6/29読了
 /北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録
 伊東潤
 三部作ということで「天地雷動」「武田家滅亡」に続いて読む。
 北条三郎が上杉謙信の養子となり、上杉景虎として景勝や直江兼続との跡目争いと
 その顛末。
 いわゆる「御館の乱」の過程を軸に「天地雷動」「武田家滅亡」の視点を変えて
 リンクしている。
 景虎が立場上とはいえ優柔不断で感情移入ができなかったのが残念だが、面白い
 作品ではある。
 直江兼続が相当な悪役として描かれているが、直江兼続視点の作品も読んでみたい。



 2014/6/30読了
 ::ミサイルマン
 平山夢明
 「独白するユニバーサル横メルカトル」には無い味を醸し出している
 「テロルの創世」が面白かった。
 この路線で行くのか?と思っていたら、あっという間にキチク系に。
 「枷」が妙に心に残るが、「ミサイルマン」の突き抜け方が無理やり脳みそを
 刺激する。
 一か月かけて少しずつ読んでいたが、一気読みすると食欲を無くしそう。




7冊読了。