夏ですねえ。
2016/7/7読了
::原子力政策研究会100時間の極秘音源: メルトダウンへの道
NHKETV特集取材班
未見だがNHKの番組が基になっている。
基本「音源」から起こしているので映像の方が理解しやすいのかもしれないが、
口語がまま再現されているので、それぞれの立場の発言者のニュアンスは
伝わってきたと思う。
日本の原子力政策の歴史がわかるが、まず最初から安全性が無視されていたかと
思うと、将来的にも取ってつけたような安全対策しか施せないのではないか?
と危惧するばかりだ。
2016/7/12読了
::陸王
池井戸潤
百年の歴史を持つ足袋専門の会社がランニングシューズという新分野に挑戦して
悪戦苦闘するわけだけど、もう、読みながらすぐに展開が分かってくるわけですよ。
いつもの通りにこの人が敵で、あの人が味方なんだな?ってね。
だけどいつも主人公たちと一緒に一喜一憂してしまうわけですよ。
長い作品なんだけど、全然長さを感じさせないし、読後感がいつもながらとても
いいんですよ。
続編がでてもおかしくない流れだったので、既に続編を待ってしまう自分が
いるんですよ。
2016/7/24読了
/ヒッキーヒッキーシェイク
津原泰水
ヒキコモリを支援するカウンセラー竺原とヒキコモリたちが「不気味の谷を越える」
共同作業を通じて描かれる青春小説。
津原ファンには、ヒキコモリたちによる「クロニクル・アラウンド・ザ・クロック」
のほうが分かり易いかな。
ちょっと面倒くさい表現もあったりするが、琴線に触れる言葉が所々に
散りばめられていて、時に共感してしまったり。
2016/7/26読了
::青い脂
ウラジーミル・ソローキン
読んでも読んでも意味が分からず、途中に他の本を読んだり戻ったりを繰り返すも
ようやく後半で波に乗れた感じ。
後半の怒涛の展開に圧倒されたが結局この作品の評価をすることはできません。
中国文化の影響を受けたロシアを舞台にスターリンやらフルシチョフやらヒトラー
が、エログロワールドであんなことやそんなことを。。。
一緒になって脳を膨張させようとしたがどうにもならん。
しばらく発禁になっていたのも頷ける。
読後、最初の100ページ位を読み直したら驚く位に読み易く感じた。
翻訳者のお二人のお仕事に感服致します。
2016/7/31読了
::治部の礎
吉川永青
秀吉の許で政治家として力を発揮する石田三成の理想とは何か。
「正しすぎる」そして「扱いづらい」三成の描き方は従来のイメージを踏襲
しているが、その根本にある己の義を捨て、国のための大義を為すためには
嫌われ役をも厭わないという覚悟が伝わってくる。
それまでは抑えられていた文体が、最後に家康と対峙した三成の檄で一気に
熱を帯び、自分亡き後も家康を動かすために最後まで諦めない姿に全てが
詰め込まれている。
堺屋太一の名著「巨いなる企て」を再読したくなりました。
5冊読了。