吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2016年12月の読書リスト

いよいよ押し詰まってきました。今年も31日まで仕事なのでやさぐれております。
みんな、ガンバロー!
ということで、もう一冊年内に読み終われるかと思っていましたが、諦めました。
ゆっくりじっくり読みますか。



 2016/12/4読了
 /決戦!桶狭間
 冲方丁花村萬月宮本昌孝、富樫倫太郎、矢野隆、木下昌輝、砂原浩太朗
 天下分け目といえば関ヶ原だが、桶狭間はそれに匹敵する分け目の戦のひとつで
 あったことは間違いない。
 今川、織田両軍の関係諸将を描く7人の作家の中で一番面白かったのが岡部元信を
 取り上げた木下昌輝の作品。
 今川、織田の闘いを宗教戦争というもう一つ上の次元の世界観で提示され、
 岡部元信同様、鳥肌が立った。



 2016/12/9読了
 ::傷だらけのカミーユ
 ピエール・ルメートル
 最初の壮絶な暴力シーンから犯人と対峙する最後までがたったの三日間という
 濃密さ。
 そしてカミーユの心は痛めつけられっぱなしじゃないか。
 終盤には「うまれた時が悪いのか それとも俺が悪いのか」って昔の歌が頭の中に
 流れて来たくらいだ。
 これでこのシリーズが終了してしまうのはもったいないなあ。
 いずれ元気なカミーユの物語を読みたいものです。


 2016/12/11読了
 /年月日
 閻連科
 強烈で長期間に及ぶ大日照りに村人全てが村を捨てて出て行ったなか、
 盲目となった犬と共に一人村に残り、たった一本残ったトウモロコシの苗を守り
 育てる老人の物語。
 乏しい食料と水を得るためにオオカミや鼠との苦闘を乗り越えながら踏ん張って
 生きている先じいの姿が力強くも切ない。
 そして犬のメナシの健気さといったら。。。
 辛い展開が続きながらも迎えるラストの光景は崇高であり、先じいの気持ちが
 きっと引き継がれるだろうと思わせてくれる。
 今までの閻連科の作品とは全く違うテイストだが、良い作品でした。



 2016/12/20読了
 /China 2049
 マイケル・ピルズベリー
 中国の民主化はやはり難しいか。
 アメリカを抜いて世界のトップを狙い、100年という時間をかける戦略を持つ
 中国の真の姿に気づけと、アメリカで最も中国を知る人物が警鐘を鳴らす。
 最近の中国の強硬姿勢を見るにつけ説得力はあるが、それにしてもアメリカの
 情報収集能力ってこんなものなのか?(日本人が言える筋合いではないか)
 それだけしたたかな中国ってことなんだろうけど。
 著者は長い時間中国の戦略に気づかなかったことを反省しているが、
 とにかく遅かろうが気が付くことが大事なこと。
 日本人こそ真剣に中国の戦略に目を向けないと。


 2016/12/26読了
 /地球の歴史(上) -水惑星の誕生
 鎌田浩毅
 全三巻で地球の歴史を紐解くという壮大な内容だが、その一巻目。
 上巻は宇宙の誕生、地球の誕生、そして水と空気の生成までが描かれている。
 簡易な説明ではあるが、どうしても専門用語を使わざるを得ない内容だけに
 すんなりとは頭に入ってこないのだが、それでもダイナミックに展開される地球の
 成り立ちに圧倒される。
 地球とはなんと奇跡的な存在なのだろう。続きも楽しみです。




5冊読了。