吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

注文の多い注文書

著者:小川 洋子、クラフトエヴィング商會
出版社:筑摩書房

 

単行本で読み逃していたので文庫が出た機会に読む。やはりもっと早く読むべきだった。
小川洋子の「注文書」、クラフトエヴィング商會からの納品書、そして小川洋子の「受領書」を基本構成として、不思議なやり取りが綴られる。
注文書の基になる5つの物語に出てくる「ないもの」が思わぬ形で納品されるが、
その写真がとても味があって綺麗。唯一文庫本サイズなのが残念だったが。
「肺に咲く睡蓮」を読んでこの中で一番好きな作品に違いないと思っていたら「冥土の落丁」で凄いじゃねえかと唸るばかり。

 

基になっている5作品を読んでいないが、読んでいたらもっと深く楽しめたんだと思う。
こうして読みたい本が増えていく。
本が本を呼ぶ。
いつまでたってもそれは終わらない。
追っかけても追っかけても終わらない。
まあ、好きで追っかけているわけで、大変だけど駆けずり回るのもまた楽しいものだ。

 

2019/7/31読了