吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

著者:ブレイディみかこ
出版社:新潮社

 

イギリスに住む著者と子供を通して見えてくる様々な現実に考えさせられる。
人種や格差問題が親しみやすい文体でとても分かりやすい。
いずれ日本にも同様の問題が溢れてくるだろう。
子供たちの置かれた環境がいかに大人たちの事情に影響されるか心が痛むが、
悩みながらも柔軟に成長していく子供たちに頼もしさも感じる。
著者の息子が相手を思いやりながら語る言葉とさりげない行動に、
つい子供の頃と比べてしまい恥ずかしい気持ちになったが、
こんなオッサンに現在の子供の目線を与えてくれたことに素直に感謝したい。

 

自分の思う多様性は既に時代遅れだったり勘違いだったことに気付きました。
誰もがそれぞれ違うということを受け入れ、自分の価値観を押し付けることなく
なおかつ共存していくということはとても難しいことだと思う。
多分無理。
それでも、考えながら少しでもできること積み重ねることが大切なんだろうな。
今になって自分が成長できた気分です。
まさに子供から大人まで全ての世代に読んでみてほしい作品です。


関係ない話。
かなり前にイギリスのブライトンには旅行で2泊くらいしたことがあったので
そういえばあの桟橋は?と思って調べてみたら、嵐で崩壊、そして焼失してしまっていた。
思い出の場所がそんなことになっていたなんて。。。残念です。
大きいスーツケースの車輪が壊れてしまって坂道を押しながら上り下りした思い出とともに記憶には鮮明に残っています。また行けるといいな。


2019/9/15読了