吉祥読本

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信長公記―戦国覇者の一級史料

著者:和田 裕弘
出版社:中央公論新社

 

織田信長に関連する作品では基本中の基本となる「信長公記」。
いつかは読んでおきたかったが、興味深い部分を抜粋して
解説してくれている新書として読めたのは嬉しい。
信長の身近にいた筆まめ太田牛一が残した記録だが、
大きな出来事でも案外あっさりと書いているので意外だった。

それほど詳しく書かれていたわけではないが
ここのところ改めて興味が湧いている松永久秀荒木村重の項目もあり
これからの参考にしようとちょっとした復習。
木下昌輝さんに是非彼らが主役の作品を書いてほしいと願っているんですが、
いかがでしょう。

本書は松永久秀が主役の「じんかん」を読む前に読んでおきたかったんですよねえ。
荒木村重をメインで描いた遠藤周作の名著「反逆」という作品は
かなり昔に読んでいるのですが、やはり木下さんに書いてほしい!
宇喜多直家とか斎藤道三を題材に書いているんだからあり得るかな?

脱線しました。

本書を読むと、これぐらい身近にいた人物の記録ですら曖昧だったり
不明だったりする情報が多く、
これなら多くの解釈が可能な信長本がたくさん出版されるのも頷ける。
やはり諸々の真相を究明するのは至難かも。
多くの出来事の真相を知りたい半面、
色々な信長を想像できるのは楽しいから、良しとしましょう。


2020/6/25読了