吉祥読本

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剱岳-線の記-平安時代の初登頂ミステリーに挑む

著者:高橋大輔
出版社:朝日新聞出版

 

明治40年、剣山初登頂と思われた測量隊が山頂で見たものは錫杖頭と鉄剣。

装備が無い平安時代に誰が何のために登頂したのかの謎を探るノンフィクション。

この人の作品は2冊目だが、名前が有名なフィギア選手と同じなので

つい有名な顔を思い浮かべてしまう。


実際に何度も登頂し、どのコースなら今のような発達した装備も無い状態で

登ることができたのか興味は湧くが、著者の熱量が高すぎて

ちょっと追いつけない部分もある。

何度もトライし、仮説をたて、資料を探り、情報集めに奔走する姿は感心させられる。

フットワークの軽さと体力が無いとできない謎解きだ。


徐々に著者の推測が具体化していくためか、ぐいぐいと読めるのだが、

最後、本人が謎が解けたと断言する推測は、正しいのかもしれないが

ちょっとこじつけのようにも感じた。

でも興味のママに突き動かされるかのように謎解きに奔走し、考え、想像するのって

ロマンがあって羨ましいな。