天才の思考回路ってどうなっているのだろう、と考えても分かりませんが。
フォン・ノイマンの天才ぶりは「チューリングの大聖堂」でもたっぷりと
教えられたものだが、改めて途轍もない天才なんだと思い知らされる。
サブタイトルにある「人間のフリをした悪魔」というほどのマッドさは感じないが、
人道より科学を重視することが冷徹なのであればそんな見方もありか。
様々な天才が綺羅星のごとき集まっていた研究所の中でもひと際輝いていた
ノイマンが、もう少し長生きしていたら後世にどのような影響があったのだろう。
本書を読んでいて気になったのは、ノイマンがもし陸軍に入っていたら
アメリカは東京に原爆を落とした可能性があったかも?と書いていたが、
実際はむしろ東京(皇居)を避けるよう進言し、
京都に落とすほうが効果的であると主張したとあり、
なぜ煽り文句のように東京に原爆云々とあったのか矛盾を感じた。
読み落としがあったのだろうか。
「チューリングの大聖堂」を読むのを躊躇っている人には、
サクッと読める本書がおススメ。