日下三蔵さんの名前で食指が動いた。
昭和感漂うというか、ド直球に戦後直後の空気感しかない作品ばかり。
新宿界隈の混沌とした雰囲気はまあわかる部分もあるが
聞いたことが無いスラングは読んでいるほうが気恥ずかしい。
面白い作品もいくつかあったが、
酔っぱらった頭の中に浮かんでいるような情景が多いかな。
当時の社会背景を見事に切り抜いているという見方もあるかもしれない。
あまりに正確に描写されるが故に慣れない(知らない)リアリティに
抵抗感のようなものが湧いてきてしまい、
本能的に受け入れようとしない自分がいるのかも。
ある時代を感じるという点に関しては
よくできているという評価もできるかな。
不思議な作品集ではある。