猪苗代湖の音楽フェス「オハラ☆ブレイク」で配布された冊子に掲載された
短編を書籍化した連作集。
「オハラ☆ブレイク」に関しては知りませんでした。
最初は、伏線だとしても何か腑に落ちないなあと思いながら読んでいたが
途中から、ああそういうことか、そんな世界観なのかとわかると全てが繋がった。
読み方がわかると後は少しとぼけたいつものような伊坂幸太郎節の会話を
味わいながらまったりと文字を追う。
最近集中力を必要としたり、殺伐とした内容だったり、
図書館本に追い詰められたりと読書に疲れ気味だったが、
肩肘張らない伊坂幸太郎らしい作品でリラックスしながら読めました。
それぞれのキャラクターが穏やかで、無意識な行動が誰かの幸せに
繋がっているってだけで安心する。
いつもならもう少しトリッキーさを求めてしまうが、
本作はタイミングも内容もページ数も気分的には丁度良い塩梅でした。
本当は泥棒さんとか死神さんとか殺し屋さんの作品を心待ちにしているのですが。。。
なんだか物騒な感じだけど(苦笑)