著者: 劉慈欣
翻訳:大森望/古市雅子
出版社:KADOKAWA
爆発する太陽から逃れるために地球ごと太陽系から脱出しようとする
「流浪地球」を筆頭に、「三体」同様、スケールの大きな作品が多い。
ただ「三体」のスケール感に驚いたせいか、
それぞれ楽しめる反面さほど大きな驚きは無かった。
その中にあって、中国の社会背景と貧しさの克服だけではない
矜持と忍耐強さを併せ持つ仕事ぶりと宇宙を組み合わせた
「中国太陽」は最も印象に残る作品だった。
中国の社会背景の影の中にあって、しなやかな強さが光りをとなっている。
タイプの違う今回の短編集を読んで思ったが、
劉慈欣が宝樹の「三体X」を公認した理由が何となくわかった気がする。
ちょっと似ている部分があるんだなと。
深堀りはしないが(笑)
【収録作品】
「流浪地球」 「ミクロ紀元」 「呑食者」 「呪い5・0」
「中国太陽」 「山」