出版が1年前のため、最近の状況をある程度知っていると古い情報もあるが
半導体を巡る世界の動向、流れを概ね掴むには良いかと。
かつて半導体王国だった日本のこの分野での凋落は、
そのまま国力の低下にも繋がっているのだと思う。
この分野では台湾、アメリカ、中国、韓国が激しく戦っており、
素材や装置でこそ存在感があるが、いずれそれらも各国の追い上げが予測される。
中国の台頭とロシア・ウクライナの戦争の影響で最近ようやく重い腰を上げた
日本と企業群が世界に対する存在感を見せるのはきっと最後となるタイミングだが、
取り敢えず動き出したことは評価したい。偉そうだが。
今後も目まぐるしい動きが予測され、本書は2030年には
きっと陳腐な内容となっているでしょう。
とにかく日本企業の国際競争力と外交能力の向上を期待したいのだが。
何度も失敗してきた日本政府には、せめて口を出し過ぎて
混乱させないようにして頂きたい。