著者:平山夢明
出版社:光文社
コロナの影響か、「八月のクズ」を読んだ時はもう読まなくてもいいかなあという
気持ちが若干あった。
それなのに「ペリカン」に何を話したのだろう?と気になって読んでしまった。
短編集なので、しんどくなったら表題作を読んで図書館に返してしまえば
よいと思っていたが、まさかの連作集だった。
直前に読んだ沢木耕太郎さんの作品とのギャップが凄すぎる。
どっちも旅の話しという共通点に呆然。。。
しょうがないからしょうがない作品たちを読み続けることに。
(平山さん、ごめんなさい)
で、よくもまあこれだけのスラングを機関銃のように撃ち込んでくれたなあ。
理解できないワードがいくつもあって読むたびにクタクタに。
ぶっ飛んだ内容をこれだけ揃えられる腕力は流石。
主人公がワリとまっとうで会話も軽快。
時々社会風刺が仕込まれていて、つい同調してしまう自分に不安になることも。。。
こんな滅茶苦茶な作品集は平山さんにしか書けないよな。
最も古く書かれた表題作が一番読み易かったが、
「五十五億円貯めずに何が人間か?だってさの巻」とか、
「命短し、乙女はカーマ・スートラだってよの巻」も良かった。
う、良かった?良かったって書いちゃったよ。
ところで結局ペリカンって?
とぼけた会話のせいか、いつの間にか脳内で主人公がサンドウィッチマンの
富澤さんに置き換えられていた。
(富澤さん、ごめんなさい。)
映像化されたら案外いい味出しそうだけど。
って、映像化されるわけないし、観たくもないわ。
(おしまい)