著者:小川哲
出版社:朝日新聞出版
クイズ番組の決勝で対戦相手が問題を読む寸前にボタンを押し、正解する。
負けたプレイヤーはヤラセを疑いながらも、正解を導き出す可能性があるのか?を
考察しながら真実を探る過程が描かれる。
昔から早押しクイズは観ていると置いて行かれることばかりなので
決して楽しいとは思わなかったが、どうして問題が読まれる途中で分かるのか
不思議で仕方が無かった。
本作でかなり謎は解けたが、知識だけではなく、クイズの答えを導き出す道筋や技術、
出題側の心理まで読むところまで突き詰めるプレイヤーの執念には恐れ入る。
ある程度分かってみても宇宙人とか特殊能力を持った人にしか思えないな。
自分には絶対無理。
ラストに語られる対戦相手の意図はモヤモヤするが、
何とも現代風な考え方ってことかな。
現実はわからないが、それでもクイズの奥深さを存分に楽しめる作品だった。