著者:フレドリック・ブラウン
翻訳:井上一夫
出版社:東京創元社
カバー装画:真鍋博
長い間積んでいた古本だが早く読んでおけばよかったと思わせる作品だった。
異星から来た未知の生命体と物理学者の緊張感漂う攻防戦は目が離せない。
人や動物に乗り移ることができる異星人には宿主が死なないと
抜けだせないというハンデがあり、
それによって生じる膠着状態が面白い。
時代の古さは仕方が無いが、両者の視点を交えたストーリーは現在でも
十分楽しめるものだった。
未知の生命体が時々犯すミスが妙に人間臭くて笑えるし、
全編を通して感じる何とも言えない懐かしさが心地よかった。
そして装画は一目でわかる真鍋博。
題名からすると違和感のある鳥だらけの表紙にもちゃんと意味があったのね。
というか本作で唯一引っ掛かるのが題名の「妖怪」なんだが。。。
それにしても流石、フレドリック・ブラウン。
読めていない作品もあるので読みたいし、再読もしたいと思う。