吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

虫とけものと家族たち

著者:ジェラルド・ダレル翻訳:池沢夏樹出版社:集英社 イギリスからギリシャ・コルフ島に引っ越してきたダレル一家の物語。 自然に恵まれ、様々な動物や昆虫に接する生活を送る少年の視線で語られる日々の 何と幸せなことか。 ヤモリと巨大カマキリの戦い…

ぼくはあと何回、満月を見るだろう

著者:坂本龍一出版社:新潮社 「音楽は自由にする」以降から晩年の坂本龍一の記録。 淡々と語られる闘病生活、そして音楽への思いが柔らかくも熱をもって伝わってくる。 まさしく真のアーティストとはこういう方の事を言うのだろう。 政治への姿勢、よく知…

半導体戦争-世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防

著者:クリス・ミラー翻訳:千葉敏生出版社:ダイヤモンド社 半導体の歴史や現在の状況が非常に分かり易く纏められ、また、 読み物としても面白い。 アメリカと中国の覇権争い、台湾や韓国の思惑、日本の栄光と挫折、 そして巻き返しなど、曖昧だった世界の…

最後の三角形 (海外文学セレクション ジェフリー・フォード短篇傑作選)

著者:ジェフリー・フォード翻訳:谷垣暁美出版社:東京創元社 「言葉人形」に続く短編集14作品。 様々なタイプの作品群はいずれも読みごたえがあり、 濃密な奇想、幻想にじっくりと包み込まれ、想像力を試されているかのよう。 そして想像力の遥か上を行く…

伝説の編集者 坂本一亀とその時代

著者:田辺園子出版社:河出書房新社 坂本龍一が、父親が生きているうちに父ことを本にしてほしい、 という意向からできた作品との事。 結局父親の意向により死後に世に出たようだが。 戦後文学の名作に関わっていた編集者をかつての部下ならではの視点で描…