吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

砂漠 --伊坂幸太郎

以前書いた「アヒルと鴨のコインロッカー」でも触れましたが、伊坂幸太郎については作品に甲乙つけるのが難しい。まず表紙のせいで読むのは当分あとでいいやと思ってましたが、発売と同時に読むべきだったと思った。表紙は大事だけど、あんまり気にすると損…

陸軍将校のつくったチーズ --大倉直

私のブログにノンフィクションライターの大倉直さんがコメントを書き込んでくれただけではなく、ありがたいことにファン登録までして頂いてから丁度1ヶ月経過しました。その間、私も度々ブログに立ち寄らせていただいています。直(ちょく)さんと呼ばせて頂…

昭和16年夏の敗戦 --猪瀬直樹

猪瀬直樹といえばミカドの肖像、天皇の影法師や土地の神話、いずれも印象的で興味深い著書ばかりですが、それらを抑えて個人的に一番衝撃を受けたのがこの「昭和16年夏の敗戦」です。かつて日本は第二次世界大戦で滅茶苦茶になった。なぜ戦争をしたのか。各…

夜のピクニック --恩田陸

ここのところ多忙な日々が続いている。ゆっくり考える時間が欲しいというのは贅沢な望みなのでしょうかね~。とにかく動きながら考えるしかない。まあ、そのほうがいい考えが浮かぶってことも事実なわけで。そういえば学生のころから大事なことを考えるとき…

読めない日々

最近全く落ち着いて本を読めなくなってしまった。仕事が忙しいのはありがたいことなのだが、かなりきつい。挙句の果てに久しぶりに腱鞘炎っぽくて手首にはサポーターをつけている。追い討ちをかけるように首が痛い。廻らない。いろんな意味で。キーボードや…

アルキメデスは手を汚さない --小峰元

ようやく積読状態から脱出させました。中学生のときに読んだ青春学園ミステリー。手許になかったので友達に借りたのかもしれません。去年復刊して平積みされていたので、懐かしくて購入しておきました。江戸川乱歩賞も受賞していたことは購入するまで知りま…

星新一 一〇〇一話をつくった人 --最相葉月

「子供のころはよく、本を読みながらその場からいなくなることができたんですが、星さんの本はそんな一冊だった。」新井素子の言葉に同感。本作は「人民は弱し 官吏は強し」で書かれた星新一の受難を、膨大な資料を基に別の角度から照らし出していた。SF界の…

複合汚染 --有吉佐和子

20年以上前のことですが、有吉佐和子の「開幕ベルは華やかに」を読み、とても面白かったのですかさず読んだのがこの本です。「開幕ベルは華やかに」とはまるっきりタイプの違う小説ですが、読み進めていくうちに何ともいえない危機感がこみ上げてきてあっと…