吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

夜のピクニック --恩田陸

ここのところ多忙な日々が続いている。
ゆっくり考える時間が欲しいというのは贅沢な望みなのでしょうかね~。
とにかく動きながら考えるしかない。
まあ、そのほうがいい考えが浮かぶってことも事実なわけで。

そういえば学生のころから大事なことを考えるとき、
新宿のビル群のあたりをのんびりと一人でよく歩き回っていた。
無機質な雰囲気が集中力を増すのかもしれないし、人通りも少なかったしね。
大きなビルを見ているだけで気分転換にはちょうどよかった。


ふと最近、「夜のピクニック」ぐらい長く歩ければいいのだが・・・・と思ったので、
ようやく本題。 (ちょっと強引)


皆さんご存知でしょうが、「夜のピクニック」は高校の行事で、
一晩かけて歩く「歩行祭」の話しである。
ただそれだけなのだが・・・
高校生の頃にこんなイベントはなかったから読んだときにはうらやましいなと思った。
さほど大きな出来事はないのだが、たった一晩で主人公たちが成長している。

恩田陸の作品は爽やかな読後感を覚えることが多い。
高校生の描き方がベタベタしていなくていい。
友達と一緒にただ歩く。これだけでよかったんだよな~と素直に思えるあたり、さすがである。
よくもまあ、こんなに長い作品に仕上げたものだ。

脇をかためるキャラクターも個性的でありながら、こんなヤツいたな、なんて連中ばかり。
特に高見と内堀はこの物語に欠かせない人物で印象的だ。
サブキャラクターの作り方が、恩田陸のうまいところなんだろう。
ちゃんと話しを盛り上げるべく、役割分担が無理なく自然にできてる。


ただ、「図書室の海」の中にある、「ピクニックの準備」はちょっと・・・。
単体で読むと「何?これはナニ?」って状態だった。
作品として成り立ってなかったと思うのですが、皆さんは理解できたのでしょうか。
もう少し単体として読めるように「オトシマエ」をつけてほしかった。


あーそっか、「夜のピクニック」を読んだあとに読めばよかったのかな?
覚えていたら再読するか・・・


あいかわらず読む時間がないのですが、そろそろ復活の兆しが見えてきた。
近日中に、読書再開予定です。