吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

江戸咎人逃亡伝

著者:伊東潤出版社:徳間書店 佐渡、花街、奥深い山で繰り広げられる逃亡劇など3篇の逃亡、追跡が描かれる。 逃亡と言えば吉村昭さんの「長英逃亡」「破獄」などが思い浮かぶ。 客観的に読む逃亡を扱う作品はとても面白いが、 理不尽に逃亡を余儀なくされる…

カーテンコール

著者:筒井康隆出版社:新潮社 25の掌編集。 うち2編は「ジャックポット」からの再収録のため既読。 表紙はとり・みきさんだった。 かつての毒はだいぶ薄まり哀愁を感じる作品多め。 「プレイバック」「カーテンコール」はまるでご自身の見る走馬灯を 共有さ…

フェルマーの最終定理

著者:サイモン・シン翻訳:青木薫 出版社:新潮社 「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」 フェルマーの残したこの言葉から数多の数学者たちが様々なアプローチで 証明を試み積み重ねられた考察を…

寝煙草の危険

著者:マリアーナ・エンリケス翻訳:宮崎真紀 出版社:国書刊行会 アルゼンチン文学として評価の高い女性作家マリアーナ・エンリケスの初読み作品。 12編のスパニッシュホラーの短篇集は期待以上だった。 生々しい匂いと湿度を感じさせる不穏さは心の中に巣…

入門 山頭火

著者:町田康出版社:春陽堂書店 勿論の事、山頭火は名前しか知らないが町田さんが解説してくれるならと入門。 実はご自身も知らなかったらしく 「物書きの看板を上げておきながら山頭火も知らないでどうする。 世の中をなめているのか。殺すぞ」 と言われた…