吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

著者:アダム・オルター翻訳:上原裕美子出版社:ダイヤモンド社 今の時代がいかに依存症で覆われているかがよくわかる。様々な依存症を具体例に説明されると自分もその依存症と無関係でいられないどころか既に侵食されていることに気づく。デジタルドラッグ…

写楽とお喜瀬

著者:吉川永青出版社:NHK出版 能役者・斉藤十郎兵衛が写楽として短い期間に残した絵を世に放つ経緯と苦悩を描く人情噺。 芝居を観たいがために役者絵を描き、士分のため名前を秘す必要がある十郎兵衛。陰間であるお喜瀬との出会いと別れや許嫁の不幸な死な…

三体

著者:劉慈欣(りゅう じきん)監修:立原透耶翻訳:大森望、光吉さくら、ワン・チャイ出版社:早川書房 中国人作家が書いた評価が高いSFという程度の前知識しかなかったので文化革命からの導入に驚いた。しかし中国の歴史や社会背景と、ナノテクやVRゲーム…

ゆめこ縮緬

著者:皆川博子出版社:KADOKAWA 大正、昭和初期を舞台に耽美で妖しい世界を浮かび上がらせる8編はいずれも濃密な匂いが漂う。ほとんどの作品で1行目を読んだ途端引き込まれる確率の高さには参る。馴染みの薄い古い言葉が妙に心地よく、その場で自分が息をひ…

歴史と戦略

著者:永井陽之助出版社:中央公論新社 80年代に書かれたものだが、内容的は日露戦争や、第二次世界大戦を題材に書かれているためそれほど古さは気にならない。ヒトラーのアメリカへの宣戦布告に関する解釈は、そんな理由なのか?と信じがたいが色々な見方が…