80年代に書かれたものだが、内容的は日露戦争や、第二次世界大戦を題材に書かれているためそれほど古さは気にならない。
ヒトラーのアメリカへの宣戦布告に関する解釈は、そんな理由なのか?と信じがたいが色々な見方があるんだなあと思わされる。
また山本五十六や乃木希典の評価に関する論考、真珠湾攻撃の評価、ルーズベルトへの解釈もなかなか興味深く読めた。
井上成美に対する高評価や「失敗の本質」への批判に関しては個人的な思いの強さを感じたが、冷静さの中に人間臭さが滲みだしているようで好感。
並行読みしていていつ読み終わるかわからない作品がある。
それは本書とは違い、むしろ近代的な兵器や戦争に関する内容だが、経緯説明で戦争における機関銃の登場が、その後の戦い方に相当な影響を与えたことが共通で記述されていた。
ターニングポイントとなる武器はいくつもあるだろうが、歴史や戦略、戦術というのは技術的な進歩に大きく影響を受けるものなんだなと、当たり前のことだが気づかされる。
武器の進歩が人間の命を救うためという目的だったとしても常に矛盾している事実にも気づかなくてはね。
歴史を知る大事さにも気づくことしきり。
2019/10/3読了