吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2019年の読書を振り返る

今年は「ヤフー」から「はてな」に引っ越しという転機が訪れ、初心に戻って拙い感想を綴っている。いつまで続きますか。毎年その年の印象的な本を10冊程度リスト化していたので、はてなブログ移籍後初めての印象に残ったリストを書きたいと思います。 2019年…

黄金列車

著者:佐藤亜紀出版社:KADOKAWA ドイツ崩壊が近づく中で、ユダヤ人から没収した資産を管理するハンガリーの役人バログはその資産を退避するための「黄金列車」運行メンバーとなる。 混乱の中、生きるため、欲求のためあからさまに財産を狙うあらゆる人間た…

掃除婦のための手引き書  ルシア・ベルリン作品集

著者:ルシア・ベルリン翻訳:岸本佐知子出版社: 講談社装幀:クラフト・エヴィング商會 現実なのか想像なのかいずれにしても到底浮かばない表現力、比喩力が凄い。フォーカスされた状況を簡潔な文章で描き出しているがために理解できずにスルーしてしまうと…

黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄

聞き手・構成:春日太一出版社:文藝春秋 奥山和由といえば松竹解任のごたごたが思い起こされるが、なぜそれが起きたかは本書に詳しい。ただし一方的な見方なので、松竹側からの反論も聞きたい。良しにつけ悪しきにつけアクの強い人であることは確かで、クセ…

オーバーストーリー

著者:リチャード・パワーズ翻訳:木原善彦出版社:新潮社 アメリカの原始林にそびえる大木を開発による危機から守る人たちの戦いが描かれる。と書くと単純な話しになってしまうが、第一部の登場人物たちの物語がそれぞれ面白い。栗の木の写真を代々撮り続け…

ぐるぐる問答(森見登美彦氏対談集)

著者:森見登美彦出版社:小学館 読み損ねたので文庫でゲット。伊坂幸太郎との対談などが追加されているのでちょっとお得。同業者同士の対談もいいけど色々な分野の人との会話で普段よりテンションの高いモリミーが出ていた気がする。万城目学との仲良しな会…

無人の兵団 ― AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争

著者:ポール・シャーレ翻訳:伏見威蕃出版社:早川書房 ネットが繋がらなくなって焦った週末。綱渡りで仕事に影響がなくてホント良かった。 近頃何かにつけてAIが取り沙汰されるが、ターミネーターのような世界がいずれ来るのだろうか?と考えたことがある…