皆川博子
著者:皆川博子出版社:早川書房 皆川作品は何冊か読んできたし好きな作家さんだが、 肝心の本作はボリュームに気圧されて長年積んだままにしていた。 この作品を読まずしてファンを公言していいものだろうかと 後ろめたさを抱えていた日々も終わりにする時…
著者:皆川博子出版社:河出書房新社 12世紀のバルト海交易を舞台に描かれる二人の少女の物語。 交易商として生きようとする二人に立ちはだかる地域間の争いや 階級による人間関係などが描かれる。 途中、戯曲形式で書かれたりするので戸惑うが、 慣れると自…
バタバタしてるので簡単に。2021年の読書数は55冊と相変わらず低調。そのなかから印象的だった5冊は下記のとおり(順不同) ■テスカトリポカ 佐藤究 ■三体III 死神永生(上・下) 劉慈欣 ■インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー 皆川博子 ■夜想#山尾悠子 山…
著者:皆川博子出版社:早川書房 「開かせていただき光栄です」「アルモニカ・ディアボリカ」に続く完結編。 アメリカ独立時を舞台に移し、国王軍の一員となっていたエドは囚人となっていた。 エドの心情が謎のまま、徐々に紐解かれる経緯は読ませてくれるが…
著者:皆川 博子編集:日下三蔵出版社 : KADOKAWA 初期から現在までの単行本未収録作品24篇。 比較的短い作品ばかりで1ページで終わってしまう作品もある。 だからと言って侮れない濃密さ。 皆川作品らしい情念とともに見事に浮かび上がる時代背景と空気感の…
著者:皆川博子出版社:文藝春秋 17世紀初頭のオスマン帝国と第一次世界大戦中のドイツ帝国を舞台に3人の少年たちの時空を超えた不思議な運命を描く物語。 オスマン帝国に徴用され、ムスリムに改宗させられた3人の少年が戦争に翻弄されながらしぶとく生きる…
著者:若竹七海/三津田信三/小池壮彦/中島らも/高橋克彦/小松左京/ 平山夢明/皆川博子/日影丈吉/小池真理子/京極夏彦出版社:筑摩書房 家を題材にしたホラーアンソロジー。作家人を見て即買いして、あとは合間にポツリポツリと読んでいた。 小松左…
著者:皆川博子出版社:KADOKAWA 観ていないが確かに映画はあったことは覚えている。 そのシナリオを皆川博子が書いていたとは巻末を読むまで知らなかった。。。 写楽の正体は諸説あるが、本作でも役者として描かれている。 彼がどんな生活を送り、蔦重こと…
著者:皆川博子出版社:KADOKAWA 初期短編集の復刊ということだが、毒性が強いうえにトンガリ具合が半端ない。 スタートの「風」からして表現力、発想力に圧倒される。 「人それぞれに噴火獣」や「舟唄」の心理描写は読んでいるほうにも 痛みを感じさせるか…
今年は「ヤフー」から「はてな」に引っ越しという転機が訪れ、初心に戻って拙い感想を綴っている。いつまで続きますか。毎年その年の印象的な本を10冊程度リスト化していたので、はてなブログ移籍後初めての印象に残ったリストを書きたいと思います。 2019年…
著者:皆川博子出版社:KADOKAWA 大正、昭和初期を舞台に耽美で妖しい世界を浮かび上がらせる8編はいずれも濃密な匂いが漂う。ほとんどの作品で1行目を読んだ途端引き込まれる確率の高さには参る。馴染みの薄い古い言葉が妙に心地よく、その場で自分が息をひ…
とにかく寒い。寒すぎる。再読も悪くないと思える1月だった。それにしてもキナ臭い題名の作品が多いな~。モリミーだけでは希釈できない感じ? 2018/1/7読了 /戦の国 冲方丁 最初の織田信長の作品に既読感があったので調べたら決戦!シリーズで全作 読んでい…
あっという間に夏が。。。。寂しい限り。 2017/8/4読了 ::決戦!関ヶ原2 葉室麟/東郷隆/宮本昌孝/冲方丁/天野純希/吉川永青/簑輪諒 決戦シリーズの関ヶ原第2弾は、前回に比べると盛り上がり欠けた気がするが、 ニッチなところを掘り起こしている分、2作全体で…
今年の読了数は65作品で67冊。今年も印象に残った10冊を読了順で書いてみた。高野さんの名前が二つあるぞ。 ●恋するソマリア :: 高野秀行 (2015/2/16読了) ●宇喜多の捨て嫁 :: 木下昌輝 (2015/2/28読了) ●狗賓(ぐひん)童子の島 :: 飯嶋和一 (2015/3/29…
いつの間にか9月に。。。 2015/8/7読了 ::トマト・ゲーム 皆川博子 初期の作品集ゆえ最初こそ古さを感じる表現が多かったが、濃密かつ淫靡な世界の 強烈さ、人の心の奥底にあるやり切れないドロドロ感が読んでいる間、 ずっと苦しい。 特に「蜜の犬」は落と…
他の月より短い2月なのに冊数を読めたのは、読み易い作品が多かったせいもあるが、何と言っても大雪の影響で動かない電車を待つ時間が長かったり、大雪の影響で仕事が思うように進まなくなったりしたおかげ?です。びっくりするぐらい忙しいのに、どうしよう…
あっという間に2月。1月に読んだ「ジョゼフ・フーシェ」「シスターズ・ブラザーズ」は早くも今年の10冊に入れたいくらい面白かったが、ようやく読めた「死の淵を見た男」に涙。俺は一体何をやってんだ?と思わされる一冊だった。 2014/1/2読了 /存在しない小…
2013年の読了本は82冊。昔のようにノンフィクションを楽しむ割合が増えた。そして海外作品も増えたと思う。いずれにしても長めの作品が多かったせいか読み応えのある作品にもたくさん出会った。とりあえず振り返って2013年の作品を10冊、無理やり選んでみた…
思っていたより読めなかったのが残念。読書時間がもっと欲しいけど、睡眠時間はもっと欲しい。 2013/12/6読了 /微生物ハンター、深海を行く 高井研 JAMSTECの研究者がやたら軽いノリで自分の切り拓いてきた研究をはじめ、 好きなことを語っている。 バイタリ…
6月に読んだ本の感想を少々。 2012/6/3読了::夜の国のクーパー伊坂幸太郎 前半は冗長な部分もあり心配になったが、いつもながらのメッセージに加え、いくつかの言葉に共感する。 もう少しハードな物語になるか?伊坂版「トリフィド時代」か?などと思いなが…
18世紀の古きロンドンを舞台にしたミステリー作品です。 外科医をしながら私的解剖教室を開くダニエル・バートンとその弟子たちの周辺で奇怪な事件が起きる。 容姿端麗なエドワード・ターナーや天才細密画家であるナイジェル・ハートら優秀な弟子たちがダニ…
短編集だが、ほとんどの作品で共通しているのが生きている人と死んでいる人の区別がつかないこと。ホラーとも言い切れないところが皆川作品らしくもあるのか。解説の東雅夫氏は幽霊小説としています(笑)「蝶」のように人間の深淵を描いていることは共通し…
これは題名的にちょっと抵抗がありました(苦笑)ま、変な作品ではないですから気にしなくていいんですけれど。。。おっさんは困ってしまうのだ。 「蝶」ではガツンとやられてしまいましたがこの作品は主に語り部が子供の頃、日本が戦争に大きく関わっていた…
第一次世界大戦に敗れたドイツ。極端なインフレと共産主義との闘いで混迷するなか、退廃的な文化も爛熟を深めてゆく。元プロイセン貴族の士官で戦後はジゴロとして無為に生きるアルトゥール―彼を巡って紡がれた、視点の異なる6つの物語の中に、ナチス台頭直…
インパール戦線から帰還した男はひそかに持ち帰った拳銃で妻と情夫を撃つ。出所後、小豆相場で成功し、氷に鎖された海にはほど近い“司祭館”に住みついた男の生活に、映画のロケ隊が闖入してきた…。現代最高の幻視者が紡ぎぎ出す瞠目の短篇世界。(「BOOK」デ…