「開かせていただき光栄です」「アルモニカ・ディアボリカ」に続く完結編。
アメリカ独立時を舞台に移し、国王軍の一員となっていたエドは囚人となっていた。
エドの心情が謎のまま、徐々に紐解かれる経緯は読ませてくれるが、
このシリーズはこんなに重たかっただろうか?
独立戦争だけではなく先住民に対する侵略まで内包されている混沌とした状況のなか、
エドワード・ターナー(エド)とクラレンスの何ともやるせない関係性を含め
あのバートンズの頃の楽しいイメージがあるが故、「何故?」としか言えない。
エドが囚人となっている理由を追うミステリ要素と、深い人種問題が絡み合う
ストーリーを加速度的に読ませてしまう皆川博子は流石だ。
ただ、「開かせていただき光栄です」から始まり、
まさかこんな切ない読後感で終わるとは思いもしなかった。。。