吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

裸の大地 第1部 狩りと漂泊

著者:角幡唯介出版社:集英社 基本的に地図を持たず、狩りをしながらグリーンランドを探検するという 思いに駆られた著者の挑戦が描かれる。 「極夜行」のように暗闇の中での探検ではないため読み手側の緊張感は 多少薄まった気がするが過酷なことに変わり…

音楽は自由にする

著者:坂本龍一 出版社:新潮社 坂本龍一が57才時点でそれまでの半生を振り返った自伝。 ミュージック・マガジン増刊号で高橋幸宏の特集を読んでいる最中に 坂本龍一が旅立ち、同誌の坂本龍一追悼増刊号を立て続けに読んだ後なので 本書を読まずにはいられな…

迷宮遊覧飛行

著者:山尾悠子出版社: 国書刊行会 少しづつ読んでいたので時間がかかってしまったが、何度でも再読できる内容の エッセイやら書評やら。 肩の力を抜いた文章もあれば影響を受けた作家さんたちへの 熱いオマージュが感じられる文章もあり、いずれも読んでい…

吹雪

著者:ウラジーミル・ソローキン翻訳:松下隆志 出版社:河出書房新社 酷暑が続く日々の中で読む極寒の風景は何とも不思議な感覚だった。 暑さを中和してくれることは無かったが。 時代背景がわかりにくいロシアが舞台。 馬車がでてくるので古い時代かと思い…

人間の土地

著者:サン=テグジュペリ翻訳:堀口大学出版社:新潮社(表紙:宮崎駿) 長い間積んでいたが、ようやく読んだ。 てっきり小説だと思っていたが、飛行機や関連技術が確立されていない時代に 路線パイロットとしての経験をもとに書かれたエッセイ。 言い回しや…

ミトロヒン文書 KGB(ソ連)・工作の近現代史

著者:山内智恵子監修:江崎道朗 出版社:ワニブックス KGBの文書管理をしていたミトロヒンが機密書類を長きに渡り書き写し イギリスに亡命、イギリスの諜報機関に提供した機密文書は膨大。 ソ連の対内外工作活動の具体的な方法や対象の広さには驚かされる。…