吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

兎の島

著者:エルビラ・ナバロ翻訳:宮崎真紀出版社:国書刊行会 マリアーナ・エンリケス「寝煙草の危険」と共に スパニッシュ・ホラーと分類される本作だが、これをホラーと呼ぶには抵抗がある。 じゃあ何?と問われれば答えに窮する。 読んでいても何が書かれて…

教養としての「半導体」

著者:菊地正典出版社:日本実業出版社 半導体業界の歴史や半導体の仕組みなどが平易に説明されている。個人的な興味は終盤の「半導体産業の今後と日本の立ち位置」「半導体業界の主なメーカーの特徴」であることが分かった。 著者は半導体の世界で生きてき…

関心領域

著者:マーティン・エイミス翻訳:北田絵里子出版社:早川書房 映画の紹介をテレビで見かけて興味を持ったので読む。 ナチスの強制収容所所長のドル、ドルの部下で将校のトムゼン、 収容所内で働く労務班長シュムルの3人が淡々と語る それぞれの日常によって…

六月のぶりぶりぎっちょう

著者:万城目学出版社:文藝春秋 前作「八月の御所グラウンド」、「十二月の都大路上下ル」の 組み合わせの流れをくむ。 清少納言を題材とした短篇「三月の局騒ぎ」は京都の女子寮を舞台に キヨさんという謎の寮生にまつわる話だが、 雰囲気としては前作「十…