吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

オーデュボンの祈り --伊坂幸太郎

伊坂幸太郎の集大成の感想を書いたあとなので、原点回帰します。ご存知の通りこれがデビュー作です。数年前、独立したばかりで仕事に忙殺され、そのくせ金がまわらない時期が続いていた。本を買う余裕も時間もない。食べるのがやっとだった。本を読む時間が…

流星ワゴン --重松清

冊数は少ないですが、それまで私が読んだ重松作品とはタイプの違うものでした。非現実的な状況設定ではあるのですが、それはただの装置にしかすぎず、内容はとてもリアルな感情が表現されていたのではないでしょうか。38歳は既に通り過ぎた私は同年代扱いに…

東京奇譚集 --村上春樹

気分転換のため久しぶりに村上春樹を読んでみました。村上春樹ファンの方はかなりいるのでしょうが、どうも合わなくてズ~~~~~~ッと避けてきました。20年以上前に初期の作品群は読んでいるのですが、それでパッタリやめてしまいました。面白いな、と思…

ゴールデンスランバー 追記

今回、直木賞にエントリーすらされなかったですね。個人的には直木賞よりも、しがらみのない本屋大賞(ベストセラーばかりですけど・・・)のほうが価値があるような気がしているので、そっちで頑張ってほしい。書店員さん、投票よろしく!!ただ、売れすぎ…

ゴールデンスランバー --伊坂幸太郎

そんなに数はアップしてませんが、今月の読書感想は全て本作の内容をキーワードにしたものでした。本当は今年最初にゴールデンスランバーをもって来たかったのですが、間に合わなかったのでこんなふうにしました。出てくるキャラクターは淡々としているけど…

逃れの街 --北方謙三

これもまたずいぶん前にはまった作者です。ハードボイルド。今は歴史に興味があるようで、そこであいかわらず男(漢?)を書いているのだろうか。10代に読んでそれっきり。北方版三国志は興味があるけれどずっと思案中。ストーリーは暴力団員を殺してしま…

グラスホッパー --伊坂幸太郎

まあしかし、色々なタイプの殺し屋がてんこ盛りだ。伊坂幸太郎作品に犯罪者は割りとでてきますが、黒澤とか、陽気なギャングたちとかは好感がもてるキャラでした。本作には結構ひどい犯罪グループが出てきたりするので、ハード路線にハンドルを切ったのかと…

JFK

ケネディに関して読んだ本、三冊をまとめました。どれも最終的な感想は似たり寄ったりなので・・・●二○三九年の真実-ケネディを殺った男たち- -落合信彦●JFK ケネディ暗殺犯を追え -ジム・ギャリソン●テキサス・コネクション -JFK暗殺~ジョンソンの最も危険…

魔王 --伊坂幸太郎

超能力を持った兄弟の話。「魔王」が兄、「呼吸」が5年後の弟を主人公に、2編がセットで収められています。読んでから時間が経っているのですが、当時個人的に感じていた危機感とシンクロしました。あとがきには「ファシズムや憲法が出てきますが、それらは…

ビートルズになれなかった男 --高尾栄司

小学生高学年の頃、洋楽をラジオで聴くようになった頃でもあるんですけど、好きなビートルズの曲があるんだ~、って友達にちょっと背伸びして話してたことがある。後日それがウィングスの曲だということが判明して愕然とした。そう、その時点で解散していた…

終末のフール --伊坂幸太郎

地球に隕石が落ちてくる3年前って設定はなかなか面白い設定だと思う。多分死ぬだろうと予感している人たちを描くわけだから、かなり動揺している人たちで溢れてそうなのに意外と落ち着いている。本来なら悪あがきしている人たちを書くほうが劇的で、まあよく…