これもまたずいぶん前にはまった作者です。ハードボイルド。
今は歴史に興味があるようで、そこであいかわらず男(漢?)を書いているのだろうか。
10代に読んでそれっきり。北方版三国志は興味があるけれどずっと思案中。
ストーリーは暴力団員を殺してしまい、暴力団と警察の両方から追われる男が、
ひょんなことから出会った子供と共に繰り広げる逃避行。
その当時の、他の北方ハードボイルド作品と一味違うのは、
子供が一緒に行動していることで徐々に変わって行く男の姿が描かれていることだ。
不法侵入した別荘での二人は、完全に「親子」となっている。
ハードボイルド作品とは思えないなんともいえない美しさには、泣かされた。
実際はハードボイルド小説には分類されないのかもしれないと思わせる
北方作品のなかでは最高傑作だと思う。
勿論私が読んだ中でということですが。
映画もあったけど、見ていない。
再読する時間がないから機会があったら見てみようかな。
工藤栄一監督だし。
いまでこそハードボイルド小説は積極的に読みたいジャンルではなくなっているが、
若いときは惹かれるジャンルだった。
他の読んだ作家で代表的なのは片岡義男、矢作俊彦だけど、
結局探偵ものだったり虚無的だったりっていう主人公がでてくれば「ハードボイルド」として
単純に分類されていたような作品や作家が沢山いた気もする。
現在、ハードボイルド作家って誰がいるのだろう。今回の直木賞とかの候補にもあったけど
あれらの作品もハードボイルドなのでしょうか。
読んでないのでわかりませんが。
まあ時代と共に分野の定義も変わっていくのは当然なのでしょう。
最近はハードボイルドに限らず、単純な分類が出来ない作品が多くなったな、と思うことが多い。
勿論、それは悪いことではない。
作品の正当評価を阻害するくらいなら、無理に分類することなどないと思う。
追記です。
10代に読んでそれっきりと書きましたが、20代にかかってました。失礼しました。
寝てから、ある記憶とリンクして蘇りました。
オッサンになると記憶がいい加減になることを痛感です(泣)