著者:大崎直太
出版社:中央公論新社
時々気づかなかった視点になるほどね~と思わされるが
もう少し広い意味での生き物を想像していたので読み始めは馴染めなかった。
後半になるとチョウの専門家である著者の研究がなかなか奥深いことに気付き
引き込まれていた。
専門的な話が多いのでわからないことも多いのだが
専門誌に論文を掲載するための静かな駆け引きや
研究者たちの実績が積み重なって今があるということなどがよくわかった。
「天敵不在空間」「繁殖干渉」など初めて知る言葉だが
じっくり読むと多少なりとも理解できるので勉強になった。
読者からすればあまり必要のない専門家の顔のイラストが多いのは
著者が彼らの成果に対するリスペクトの表れでしょう。
そして多くのイラストが奥様の手によるものだったのは驚き。
仲良し夫婦なんでしょうねえ。