吉祥読本

読書感想。面白そうな本なら何でも読みたい!

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

元気なぼくらの元気なおもちゃ ::ウィル・セルフ

ウ~ン、題名とはうらはらの内容。奇想コレクション読破まであとわずかとなってきてだいぶ慣れてたと思ったんですがいやはや侮れません。著者が子供の頃からやばいクスリにドップリ浸かった体験が十二分に発揮された作品にグッタリ。翻訳者も相当苦労したよ…

原稿零枚日記 /小川洋子

特に前知識も無かったのだが、題名からして勝手にエッセイ集だとばかり思っていました。ところが読み始めるとなんだか様子が変だ。小川さんの日常生活を綴っているんだろうなあ、と素直に読み進めていると、徐々に非日常の不穏な空気が漂い始める。取材旅行…

パレオマニア 大英博物館からの13の旅 ::池澤夏樹

パレオマニアとは著者自らによる造語で「古代妄想狂」のことであるとのこと。 大英博物館に所蔵されているものからそのルーツとなる地へ旅に出る「男」。文中、「男は~」と表現している部分は著者本人なんだから「私は~」でいいんじゃないかと思うが何かに…

写楽 閉じた国の幻 /島田荘司

とにかく長い作品でした。主人公の男は写楽の研究者。冒頭、自分の不注意から六本木のビルの回転扉で子供を喪ってしまう。それをきっかけに陥る負のスパイラルにかなりのページ数が割かれるが、事故を検証するためのスタッフの一人として出会う非のうちどこ…